輪読会レポート 2019/05/15

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本日の輪読会は5題でした。

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題目1「Emerald ash borer impacts on visual preferences for urban forest recreation settings」

Arne Arnbergera, Ingrid E. Schneider, Martin Ebenberger, Renate Eder, Robert C. Venette, Stephanie A. Snyder, Paul H. Gobster, Ami Choi, Stuart Cottrell
Urban Forestry & Urban Greening 27 (2017) 235–245

目的:

Ashと呼ばれる木を食べてしまうemerald ash borer (Agrilus planipennis; EAB)と呼ばれる虫がおよぼす、公園の視覚的影響を調査すること。

方法:

公園を訪れた316名に対して、4種類の歩道の写真を見せ、好きか嫌いかなどをアンケートで調査する。

結果:

『森の状態(つまりEABの影響)』がもつ影響力は3番目であり、最も大きな影響力を持つのは『景観』 となりました。

虎太郎所感:

つまり、 木が少なかったり、ビルや建物が多い景観を好むという、割と当たり前な結果となりました。当たり前のことを研究で示すことはとても重要なことなので、有意義な研究なのだと思います。

 

題目2「Dual task performance and history of falls in community-dwelling older adults」

Pablo Tomas-Carus, Clarissa Biehl-Printes, Catarina Pereira, Guida Veiga, Armando Costa, Daniel Collado-Mateo
Experimental Gerontology 120 (2019) 35–39

目的:

タイムアップゴー(Time Up Go; TUG)試験に認知課題を導入した『Dual TUG』の結果と、高齢者の転倒歴に関連性があるかを確認すること。

方法:

参加者は、463名の65歳以上の高齢者。TUGのやり方は、「椅子に座った状態から始まり、3メートルの距離にある線まで歩き、それを超えたら180度方向を変えて再び椅子に座る。」というものであり、それにかかる時間を計測します。認知課題とは、「100から1を順々に引いていき、それを声に出しながら唱える」というものです。被験者には、通常の『TUG』と、認知課題を同時に行う『Dual TUG』の2種類をやってもらい、その結果と転倒歴の関連性を検討する。

結果:

Dual TUGの方が、通常のTUGよりも正確に、転倒しやすい人とそうでない人を区別することができることが分かった。

虎太郎所感:

転倒とは、「認知タスク」と「運動タスク」の両側面からくるものなのだと言います。つまり、単純に身体的な健康を保つだけでは、転倒を予防することは出来ないのでしょう。

 

題目3「Acquiring a Pet Dog Significantly Reduces Stress of Primary Carers for Children with Autism Spectrum Disorder: A Prospective Case Control Study」

H. F. Wright, S. Hall, A. Hames, J. Hardiman, R. Mills, PAWS Team, D. S. Mills
J Autism Dev Disord (2015) 45:2531–2540

目的:

自閉症スペクトラム障碍児のプライマリケアに対して、犬がおよぼす影響を調べること。

方法:

『犬を飼う介入群』38名と『犬を飼わない対照群』24名で比較を行う。

結果:

総計ストレス、保護者のストレス、児童の特性、この3つにおいて、介入群で大きな差が見られた。しかしながら、長期的な追跡研究を行った場合は、最終的には対照群と大きな違いはなかったようです。

虎太郎所感:

短期的な効果が見られたようです。つまり、犬の介入は治療の初期段階で大きな効果を発揮するのかもしれません。使いどころがある、ということですね。

 

題目4「The Role of the Frontal Lobe in Complex Walking Among Patients With Parkinson’s Disease and Healthy Older Adults: An fNIRS Study」

Inbal Maidan, Freek Nieuwhof, Hagar Bernad-Elazari, Miriam F. Reelick, Bas R. Bloem, MD, Nir Giladi, Judith E. Deutsch, Jeffery M. Hausdorff, Jurgen A. H. Claassen, and Anat Mirelman
Neurorehabilitation and Neural Repair 2016, Vol. 30(10) 963–971

目的:

パーキンソン病(PD)患者の高齢者に対して、前頭葉がおよぼす役割を、歩行の観点から分析すること。

方法:

「通常歩行」「Dual Task(DT)(3桁の数字から3ずつ引いていく)をしながら歩行」「障害物歩行」の3種類を、PD患者と健康な患者に行い、その歩行にかかった時間、さらにはfNIRS法を用いて前頭葉の活動を比較する。

結果:

健常者は障害物歩行の際に前頭葉の活性化が見られず、DT歩行中に活性化が見られた。PD患者は、逆に、DT歩行中には前頭葉の活性化は見られなかったものの、障害物歩行時に活性化が見られた。

虎太郎所感:

題目1の結果からも分かるように、運動的側面だけではなく認知的側面を取り入れた (治療) 活動が、高齢者には必要であることが分かります。

題目5「The Role of Animal Assisted Intervention on Improving Self-Esteem in Children With Attention Deficit/Hyperactivity Disorder」

Sabrina E. B. Schuck, Heather L. Johnson, Maryam M. Abdullah, Annamarie Stehli, Aubrey H. Fine and Kimberley D. Lakes
Frontiers in Pediatrics, November 2018 | Volume 6 | Article 300

目的:

ADHD児童に対する治療プログラムに、犬を導入することで自尊心が改善するかを検証すること。

方法:

Cognitive Behavior Treatment(CBT)に犬を介入させた「AAI群」と 、通常通りの「非AAI群」を比較する。

結果:

「AAI群」においてのみ、行動的な振る舞い、社会的および学術的能力の領域での児童の自己認識の得点が改善した。

虎太郎所感:

犬を介して、「保護者が児童をほめること」もよかったようです。まさしく、直接的な影響だけでなく、「触媒」的な役割を果たしていることが分かります。

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今日は、高齢者への歩行実験が2つもあり、どちらも類似した手法や結果を示しており、非常に興味深かったです。

みなさんお疲れ様でした。

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