【卒業論文の作り方】パワポ 編 ②|パワポ作りで大切なことは「意味のないデザインを避ける」こと

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前回の記事で、パワポ作りの大きな流れを説明しました。
 
けれども「具体的にどうすれば質の良いスライドができるのか?」の部分には触れていませんでした。
 
パワポ作りに慣れていないと、どんな点に配慮してスライドを作れば良いのか分からないですよね。
 
この記事では、パワポを作る上で重要な「作成する上での考え方のコツ」をご紹介します。
 
 
 


 
 
 
 
 

大切なことは「意味のないデザインにしない」こと

パワポづくりでは、意識すべき考え方があります。
それは、「無意味なデザインを避ける」ことです。
 
では、この「意味」とは何でしょう?
研究発表におけるパワポの「意味」とは「聴衆に自分の研究内容を理解させる (伝える)」ことに他なりません。
 
「私はこんな研究したよ!そして、こんな結果が分かったよ!そして、こんな意見を導き出したよ!」
と伝えることが研究発表における「意味」となります。
 
では、「聴衆に自分の研究内容を理解させる (伝える)」ためには、どんなことに気をつけてパワポを作ればいいでしょうか?
私は、2つのポイントがあると思っています。
それが、
「聴衆の論理的理解を高めること」
②「視覚認知的な負担を下げること」
です。
 
それぞれ、いくつかのポイントに分けて説明します。
 
 

①「聴衆の論理的理解を高めること」

研究は、複雑な論理性のもとに成り立っています。
したがって、他者に研究の内容を伝えるときも、論理的に伝える必要があります。
つまり、「聴衆の頭に?マークを思い浮かばせたら終わり」です。その時点で、聴衆の頭の中の論理性を破壊してしまっているからです。
 
以下、この重要な論理性を高めるためのコツをお伝えします。
 

ワンスライド、ワンメッセージ

1つのスライドに対して、伝えたいメッセージは1つだけに絞りましょう。
あれこれ要素があっても、聴衆は理解できません。
「このスライドで一番伝えたいのはこの要素!」というものを選びましょう。
 
また、スライドの「タイトル」「サブタイトル」を明確にするのも良いと思います。
 
聴衆は、ずーっとあなたのプレゼンを聞いていません。あなたの顔を眺めていたり、スマホをチラッとみたり、時計に目を向けたり、、。とにかく、聴衆は常に周囲に意識を取られていると考えておきましょう。
 
したがって、「そのスライドがどんな内容を伝えようとしているのか」パッと見でわかりやすくすることも大事です。
「タイトル」や「サブタイトル」が入っていると聴衆は、「あ、今はこの内容について話しているのね」と理解しやすくなります。
 
 
 
 
伝えるべき1メッセージを、どれほど抽象的なものにするか具体的なものにするかによって、スライドの質は変わってきます。が、その塩梅はけっこう難しいと思います。
ここは経験がものを言うと思うので、最初はできなくて当然です。(私も未だに下手だし、悩みます)
 
質の高い1メッセージを選択できるようになるために、常日頃から意識してパワポ作りに取り組みましょう。
 
 

100の文字より1グラフィック

文字が伝えるメッセージは、ビジュアルのメッセージより理解しづらいです。
なるべく、文字の少ないスライドを心がけましょう。
 
 
 
 
そのために、「フリー素材」をたくさん活用しましょう。
 
私は「シルエットAC」というサイトを使っています。
 
シルエット、シンプルで好きなんですよね。
 
「いらすとや」も王道ですね。
 
実写なら「unxplash」がキレイでオススメです。
 
 

アニメーションは順序効果を狙う

論理性は、順序がとても重要です。
論理構造をピラミッド状で考えた時、先にピラミッドの下部を説明し、その前提のもとに上部を説明するという順序であれば、人は理解がしやすいです。
 
パワポは、複数のスライドが寄り集まってできているので、スライドが表示される順序は決まっており、一見すると問題ないように見えます。
 
では、「スライド内」ではどうでしょうか?
頑張って作り込んだスライドを、そのままバンッとスクリーンに写しても、聴衆は「そのスライド内の順序」を瞬時に理解することはできません。
 
 
もちろん、ワンメッセージに絞ったり、グラフィックを多用したり、この後に説明するコツなどを活用すれば、理解度は高まります。
それでも、限界はあります。
 
そこで私は、パワポの機能である「アニメーション」を利用して、スライド内の順序を示しています。
そのアニメーションの中でも、おすすめは「フェード」です。「フェード」の良い点は、「最初はスライドに表示されない」ことです。
 
 
 
 
この「フェード」を使い、「自分が話す言葉に合わせながら、論理の順序に沿ってスライド内の該当部分を表示していく」のです。
こうすると、スライド内の論理的な順序を相手にわかりやすく伝えることができ、結果的に聴衆の理解が高まります。
 
 

②「視覚認知的な負担を下げること」

人は「変化した部分」「違和感を感じる部分」に意識がむかいます。
 
聴衆には、常に自分のスライドに意識を向けてほしいですよね。
スライド内の話す順序に沿って意識が向いてほしいし、自分が一番伝えたい強調部分にのみ目を向けてほしいですよね。
 
つまりパワポでは、「自分の意図しない部分で、聴衆に『変化』や『違和感』を感じさせたら」終わりです。その時点で、聴衆はあなたのプレゼン内容に意識が向いていないからです。
 
そのためには、以下の点に注意しましょう。
 

目線の動きを裏切らない

人は、L字Z字の流れで目線が動くと言われています。
 
スライドのデザインによっては厳格にこうすることもできないかと思うので、もうすこしシンプルに言い換えます。
 
人は「上から下」「左から右」の動きを自然に受け取ります。
逆に動きをさせると、とたんに違和感を感じてしまいます。
 
スライド内の説明順序は、なるべくこの方向性を意識しましょう。
また、矢印などを用いる際も、この方向性を意識すると良いです。
 
  
 
違和感を聴衆に与えないよう、気をつけましょう。
 

意味のない色使いはダメ

その色に意味はありますか?
 
色は、聴衆の意識を引くための超重要な要素です。
ゆえに、「カラフルな色」「パステルで派手な色」を乱用するのは危険です。
 
もちろん、色に関する研究や、その特殊な色を使うことに「何らかの意味が包含されている研究内容」ならOKです。
しかし、おそらく9割以上の人が、そうではないでしょう。
 
色は、基本は「白黒 調」が良いと思います。
それ以外では、自分の強調したい部分を聴衆に伝えるための「アクセント色」として1・2色でいいと思います。私は「赤」を使うことが多いです。
 
 
このくらいシンプルでいいのではと思います。
 
ただ、上記で示したように、たとえば何か意図があるのなら、もっと多様な色使いでも問題ないとおもいます。
 
私は博士論文の1章と2章で色分けして、1章は「水色 (唾液サンプルをメインで使うので)」2章は「黃色 (尿サンプルをメインで使うので)」で表現しています。
 
 
これは、意味のある色使いと言えます。
 
また、他にもオススメがあります。
それは「パーソナルカラー」を決めることです。
 
皆さんは、好きな色はありますか?「私といえばこの色!」みたいなものを持っている人もいると思います。
 

そんな人は、そのパーソナルカラーを「アクセント色」に使うと、統一感が出ていいと思います。「濃淡 (透明度) 」で強調度合いを調整することができますし、非常に使いやすいです。

その人の個性オリジナリティが出るのも利点です。(聴衆があなたのパーソナルカラーを知っている場合、更に効果バツグンです)
 
去年、ウチの学生さんで、緑をパーソナルカラーにしている子がいました。その子は緑のイメージが強く、非常に個性に適したパワポデザインで見やすかったです。(研究内容にも緑要素があったので、さらに良かったです)
 
 

意識を阻害するアニメーションを省く

無駄なアニメーションは控えましょう。
先ほど説明したとおり、私は基本的に「フェード」だけでいいと思っています。
 
なぜかというと、アニメーションを派手なものにしたりすると、無駄に聴衆の意識を奪うからです。シーソーのようにゆらゆらしたり、スピンさせてグルグル回る演出に、なにか意味はあるでしょうか?
 
もちろん色と同じで、「そのアニメーションの動きと研究内容がリンクしている」のであればもちろん活用すべきです。
しかし、そんな人は少数だと思います。
 
自分が話している部分を「論理的に理解してもらうため」だけにアニメーションを使うことを推奨します。
 
 

統一感の破綻を防ぐ

パワポデザインの「統一感」はとても重要です。
統一感の破綻は、すなわち「変化・違和感」に直結します。
 
では、統一感の要素とは何でしょう。
上記で述べてきた要素は、どれも統一感には重要なものですが、追加的にいくつか挙げます。
 
  • 「タイトル」や「サブタイトル」のスライド上での位置
  • スライド背景の色
  • 文字の大きさ
  • 文字のフォント
  • 次のスライドへの切り替え方
 
何度も述べていますが、「意図がある」のであれば統一感がなくてもOKです。
が、基本的に、これらの要素は統一することをオススメします。
 
文字の大きさについては、ちょっと補足説明します。
「文字はどのくらいの大きさがいいのか」は議論されがちですが、結論としては別に何でもいいと思っています。
聴衆が目で見える範囲ならどれだけ小さくてもいいと思いますし、スライドのデザインを邪魔しないならどれだけ大きくてもいいと思います。
 
一方、「ジャンピング」は意識すべきです。
「ジャンピング」とは、文字の大きさを「文章中変化させることです。
 
これのコツは、接続詞など「ちいさくても文章理解を下げない」文字のみ小さくすることです。
こういった統一を全スライドで行うと、全体的にスッキリしてみやすいパワポになります。
 
 

上記の基本原則にもとづいた「あえての裏切り」

上記の原則に「基本的に」従っておいて、プレゼン中に最も伝えたくて最も重要な部分に「あえて変化や違和感をつける」ことで、逆に聴衆の意識をグッとひく技術もあるようです。
 
ただ、たぶんかなり高等技術だと思います。私も、意識してやったことはないです。
基礎部分を忠実にできてないと、まったく効果を発揮しませんし。
 
ただ、パワポ作りに慣れていって、ゆくゆくはここまで意識した「聴衆をあやつるような」カッコいいスライドを作れるようになりたいですね。
 
 

 
 
いかがだったでしょうか。
 
今回の記事では、スライドを作る上で大切な考え方を説明し、その上で具体的なスライドの作り方を解説しました。聴衆の視点に立ち、「聴衆の理解を促進する」スライドを作れるかどうかが重要です。
 
 
パワポって、不思議です。
私はこれまで2度 (卒業論文と修士論文の内容)、学会の口頭発表で奨励賞をいただいています。
 
どちらも他の発表者の方とのダブル受賞だったのですが、1度目は京都大学の大学院生、2度目は東京大学の大学院生と受賞しました。
 
東京農業大学の私では、偏差値などは足元にも及びません。
お二人共、私より研究業績もあり、頭がいい方々です。
 
けれども、パワポを含めたプレゼンテーションであれば、私のような凡人でも肩を並べられるのです。これって、すごいことだと思っています。
(しかも、卒業論文時代の私のパワポは、見ていてむず痒くなる出来なのにです。笑)
 
パワポ技術を磨くことは、私のような平凡な人間に唯一残された道だとも思っています。
 

私がこれまでに作成したパワポを、スライドシェアで公開しています。ご興味あれば、下記ページを御覧ください👇👇

研究業績・ポートフォリオ

 
パワポ作りに究極的な終わりはないので、日々研鑽するのみです。
みなさんも、私と一緒に頑張りましょう。
 
 
次回の記事では、「より効率的にスライドを作成するためのワザ」を紹介しようと思います。