講習会・シンポジウム

2019年6月13日東京農業大学大学院セミナー 増田宏司先生 「イヌ」と「行動」と「ワタシ」

2019年6月13日、私が所属している東京農業大学大学院、バイオセラピー学専攻で隔週で実施されている、大学院セミナーが開催されました。

大学院セミナーは、在籍している大学院生が持ち回りで発表を行います。発表の内容は、自身の研究の中間報告だけに限らず、自身の研究に関連のある文献を輪読会形式で発表するなど、非常に自由な内容で行われます。

今年度は、在籍している大学院生の数が少ないというのもあり、バイオセラピー学専攻の教職員も発表することとなりました。

本日は、私の指導教員の1人でもある、増田宏司先生による発表でした。
増田先生は、犬の行動学を専門に研究されており、現在は犬の行動、および気質と遺伝的関連性について研究されています。

研究内容が非常に面白かったのですが、内容的に公表が難しいものもあったため、今回は控えました。その代わり、研究やプレゼンに関するスタンスなど、そのほかにも非常に勉強になる点が多かったので、ブログに残しました。

以下は、マインドマップです。

 

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「研究活動に対する思考」

 

先生が幼少期のころ、学校の校長先生が「みんなが仲良く暮らせる社会を作る」という標語?をおっしゃっていたそうです。先生は、その幼少期には特にその言葉に何も感じず、大学院生を経て、現職である犬の行動学の研究者になっていきました。

しかしながら、ある日、毎日新聞の「生物多様性」に関するインフォグラフィックの記事を見て、研究の目標が変わったそうです。その記事では、多種多様な動物が一言で表記されていたようです。そして犬の部分を読んでみると『どんな生き物とも仲良くなれる動物』と書いてあったそうです。それをみて先生は、「どんな生き物とも仲良くなれる『犬』を研究することは、『みんなが仲良く暮らせる社会』を作るための架け橋になるのでは?!」と思ったそうです。

自身の研究領域をマクロでとらえる癖をつける必要があることを、私は、修士論文作成を経て強く実感しました。研究活動を行っていると、どうしても視点がミクロになり、盲目な研究考察をしかねません、、。常に研究を社会に還元するイメージを持ち、広い学問体系の中で自分の研究がどこに位置しているのかを認識する必要があると、あらためて感じました。

 

また、研究者に求められる資質として、

『発想力』
『展開力』
『発信力』
を挙げられました。

特に3番目の『発信力』に共感しました。研究者は論文を書いてなんぼと言われますが、これはまさしく代表的な発信になります。学会発表や書籍刊行、セミナー、そして現代ではSNSやブログやサイトを用いた発信力が必要になってくると言えます。

これも、常に自身の研究を社会に還元していこうという姿勢として重要な側面であると感じました。

 

「プレゼンテーション」

増田先生のプレゼンは、非常にひきつけられるものでした。

少し長めに間を作ったり、重要なところは少しゆっくり言ったりするなど、聴衆のアテンションを引くのが非常にうまいです。
先生は元々おっとりした話し方をされる方ですが、そのようなローテンポの話し方も、聴衆が話を聞きやすくなるポイントなのかなと思いました。

また、先生のパワポは非常に色合いや配置も見やすく、判読がしやすいものでした。
今回のセミナーでは、我々大学院生だけでなく、学部生も自由に聴講できる形式となっています。
そのためか、スライドの数は少なく、エピソードトークや口頭での説明をメインにされていました。聴衆の属性も考慮に入れて資料作成をしているからこそ、皆がひきつけられるのだと感じました。

 

また、これは非常に私は共感したのですが、先生が授業を行うときに目指しているのは、

『全員が楽しめる授業』
『全員が寝ない授業』
『全員から質問が来る授業』
だそうです。

私も、研究室活動で全体に向けてプレゼンをする際は、「寝てる人いないかな、、」というように聴衆を見る癖がついています。学会発表の時でも同じなのですが、寝てる人をみると、非常に悲しいのです、、。眠くならないような発表にするように、言葉ではなく、私はパワポづくりの技術の向上に力を入れています。

そして、さらに共感したのが、3つ目の『全員から質問が来る授業』でした。これは、最近本当によく思うようになりました。

というのも、この大学院生セミナーも、当研究室で行われる輪読会も、とにかく質問をする学生が少ない!という懸念を感じるようになったからです。
私は大学4年生くらいの時から、質問をよくするようになりました。その理由の1番は、自分が気になるから、です。しかし、もう一つの理由として、発表者への敬意の一つだと思っています。
発表まで多くの時間を割いてきたのに、いざ発表したら質問がまばらだったら、発表者として非常に悲しいです。もちろん、レベルの大小はあるので、質問をするモチベーションを与えるほどのクオリティの作品を提示できなかったという点では、発表者にも非はあります。しかし、質問を思考して、それをぶつける行為は、いわば『研究内容を理解をしよう』とする姿勢なのであり、そこは大切にすべき部分だと思っています。

私のセミナーは11月に控えていますが、質問がガンガン来るようなクオリティにするべく、頑張りたいと思います。

 

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教員のセミナーは通常の授業とは異なるため、先生の過去の研究内容や研究にかける思いや熱意などが伝わってきます。逆に言えば、そういった気概がない教員にとっては、地獄の時間なのかなと思います (ただでさえ日々の業務に押しつぶされているし)。

今後の発表も楽しみです。

加藤謙介先生の講義「人とペットの減災:平成28年熊本地震の事例から」

2019年5月22日、本学校にて特別講義が行われました。
講義の内容は、「人とペットの減災:平成28年熊本地震の事例から」というもので、話者は九州保健福祉大学、社会福祉学研究科、准教授の加藤謙介先生でした。
先生は、社会心理学 (Group Dynamics) を専門とされており、人と動物の関係学、アニマルセラピーなどをテーマに研究をされている方です。

私は、人と動物の関係学会 (Human ー Animal Relationships: HARs) の学術大会にて、毎年お世話になっております。

 

本講義では、『減災』をキーワードに、ペットを飼育している人、さらには飼育してない人が、どのようなマインドセットを持って災害に備えるべきかについて、詳細にお話しいただきました。

講義内容を振り返りつつ、個人的な所感を述べたいと思います。

マインドマップは以下の通りです。

 

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①講義の論理展開

動物は、家畜動物、実験動物など、多様な形で人間社会に浸透しています。
なかでも、現代において重要な愛玩動物、すなわちペットとしての動物は、人間社会における重要な存在だと言えます。

動物と人の関係性を物理的に破壊する、避けては通れない問題が、『災害』です。

 

日本は災害大国とよばれており、世界中で発生するマグニチュード6以上の地震の約20%が日本付近で発生していると言われています。

図 日本付近の地震活動、図 マグニチュード6.0以上の地震回数
出典: 一般財団法人 国土技術研究センターhttp://www.jice.or.jp/knowledge/japan/commentary12

すなわち、わが国では地震に十分な備えを施す必要があります。そしてそれは、国単位、地方自治体単位だけではなく、個人単位で必要となります。

加藤先生はここで、『減災』というキーワードを挙げます。減災とは、災害のサイクルである「『発災』⇒『救急救命期』⇒『復旧期』⇒『復興期』⇒『日常へ』⇒・・・」という5つの段階それぞれにおいて、その現状を改善していく活動です。

減災をするには、この5つの段階をよく理解し、どのような備えすべきかを学ぶこと必要があると言えます。

そこで、加藤先生が紹介するのが、環境省が出している「人とペットの災害対策ガイドライン」です。これを、ダウンロードし、まず読み込むこと!

https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3009a/a-1a.pdf
出典: 環境省自然環境局 ウェブサイトより抜粋

そして、自身が所属している地方自治体が出しているガイドライン (あればね、、) を読み込むこと!

https://www.city.atsugi.kanagawa.jp/shiminbenri/environment/kankyou/chouju/inuneko/d041091.html
出典: 厚木市 ウェブサイトより抜粋

これが、減災の第一歩だといいます。

 

そして、ここで出てくるもう一つのキーワードが、『同行避難』です。

同行避難とは、「人だけでなく飼育動物も共に非難する」という意味の災害用語です。

※「避難所でペットと一緒に暮らす」という意味ではないのであしからず。

この同行避難には多くの問題があり、それは、災害サイクルの各段階すべてに存在します。

この同行避難をキーワードにしつつ、『熊本地震』の事例を取り上げ、災害サイクルの各段階における現状や取り組みを、加藤先生自身の御経験からお話しされました。

 

そして、最後に結論として、「『わざわざ防災』ではなく『ついでに防災』」をキーワードに、

ペットを飼育している人もそうでない人も、『双方に配慮の気持ちを持つ』ことが重要であり、そのためには『地域の防災訓練に積極的に参加』するなど、積極的に減災の知識を蓄える必要がある、と述べられました。

 

 

②個人的所感

加藤先生の講義を聞いて、私は2つの所感を持ちました。

1つ目は「研究室でも減災を行わねば」、2つ目は「減災の普及啓発活動の難しさ」です。

 

ー研究室でも減災を行わねば

当研究室では、猫と馬を飼育しています。彼らの災害対策について、意識を高めるべきだと思いました。

研究室という、いわば通常の飼育家庭とは異なる環境では、減災のしかたは異なるものと思われます。

しかし、当たり前ですが、「研究室の実験動物 (猫や馬の) 災害マニュアル」などというものは存在しません。なので、私たち自身で思考し、準備をする必要があります。

もちろん、これまで災害対策を何もしてこなかったわけではありません。私が大学院生として研究室に来た頃から、わたしを中心に災害対策について考え始めていました。

具体的な例を挙げれば、

・発災時フロー作成
・災害時用の大きめのキャリーの購入
・保存水や災害用ペットトイレの購入
・迷子札の作成
・迷子時用のチラシ
などなどです。

しかしながら、まだまだやることはあります。
書籍や上記のマニュアルを参考にしつつ、日々、準備をしていきたいと思います。

 

ー減災の普及啓発活動の難しさ

災害の普及啓発の難しさは、『予測不可能性』にあると思います。

予測できないからこそ、実感がわかないため、どうしても準備を怠ってしまいます。

人は、時間的な距離の近いものに対して大きな価値を抱きます。
『予測が出来ない』災害は、人にとって時間的に遠い距離にあるため、必然的に価値を小さくとらえがちです。その結果、日々の減災を怠ることになります。

これは、減災を普及する上での大きな障壁であるといえます。

本日の講義の様子をみていても、能動的に聴講している人もいますが、やはり多くの人が受動的に聴講しています。

このような人達の災害に対する認識を変えるのは、非常に難しいです。

ではどうするのかと考えた時、『単純な行動プロセスを提示する』ことが重要なのだと思いました。

なぜなら、人が行動を先送りせず、高いモチベーションを獲得するためには、『具体的で明確な行動のプロセスを設定する』必要があると言われているからです。

 

加藤先生の本日の講義で言えば、「地方自治体のマニュアルや環境省のマニュアルをダウンロードする」こと、かと思います。

言い方は悪いかもしれませんが、いわゆる『馬鹿でもできる』ほど小さく明瞭な第一歩を提示する必要があります。
マニュアルを印刷して配ってしまうのも1つの手なのかなと思います。

まあ、そこまでしても、みてくれない人はみてくれませんが、、。

うーーん、普及活動、難しいですね、、。

もっと心理学的な教養をつけて、勉強しなければならない、と思いました。

バランシングポイントを考える(キャットショーと服部先生のセミナーから)

2019年5月12日、Royal Canin主催の『Japan Cat Show』に参加してきました。
本イベントでは、実際にキャットショーを観覧することができたり、栄養学・行動学そして獣医学に関する猫のセミナーが開催されました。

私は服部先生のセミナーにとても興味がありました。(以前セミナーを聴講したり、著書を拝読したことがあったため)

また、わたしは今までキャットショーを見たことがなかったため、その知識を得られるのは大きいなと思い、本イベントに参加をしました。

非常に勉強になったため、記録します。

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★服部先生の講義

とっても面白かったです。というか、わかりやすかったです。
やはり、これまで数多くのセミナーを行い、数えきれないほどの飼い主さんと対話している経験は桁違いだなと思いました。

何故わかりやすかったのかを、自分なりに3つにまとめてみました。

「 ナローダウン」
解説において、無駄な部分を極力省いていました。
必要な核要素のみを残すことで、理解力が上がるのだと思います。
顕著だったのがグラフで、目盛り線や出典など、不必要な部分を極力省いてシンプルに伝えていました。

「画像の多用」
ほぼ文章がなかったです。画像のみで示しており、聴講者の認知的負荷をできる限り抑えていました。
また、言葉では難しい (一義的でなくなる) 場面も、画像なら齟齬なく伝えられるのだなぁと実感しました。

「具体性」
『1㎏あたり50CCの水を飲んでいると病気の可能性が!』や『体重の減少が5%あれば注意!』など、具体的に示していました。また、『50CC』『5%』などの数字はあえてデカデカとスライドに載せることで頭に残るように誘導していました。また、問題行動への対処も、具体的な例を挙げていました。

具体的な記述があると、頭に残りやすいうえ、飼い主の実行を後押ししやすいのだと思います。

プレゼンの際、伝えたいことが増えて要素がごちゃごちゃになりがちな私にとって、非常に勉強になるセミナーでした。
もちろん、内容も含めて。

★キャットショー
私はキャットショーを観覧したことはなく、否定的な意見を持っておりました。

ただ、『その物事に直接触れず、その物事の知識を身に着けず、その物事の意見を言う』ことは悪です。ですので、今回キャットショーを観覧できたことは、私にとって非常に良い機会でした。

また、物事は白と黒ではっきり分けられず、必ずどこかに自分自身のバランシング・ポイント (価値観) を『据え』、それを『認識』する必要があります。
また、常にそのバランシング・ポイントの『調整』をすることも必要で、自分の価値観をぶち壊す勇気を持つべきだとも思っています。

このキャットショーを観覧したうえで、以下の2つの所感を述べたいと思います。

「猫の健康」
私の価値観は、『人と動物がともに健康であること』が第1になります。その点から考えると、ぶっちゃけ動物に対して何をしようが、『動物が健康である』限りは何をしてもいい、というのが私の価値観です。

キャットショーにおける点数の基準である『頭部』『骨格』『毛並み』は、おそらく健康であって初めて高い点数をもたらすと思われます。
と考えれば、たとえ一般家庭の猫であっても、『キャットショーに出ること』をモチベーションに普段の飼育管理を適切に行うことができるのであれば、むしろ『猫のありのままの姿を、、』などと主張して室外飼育する家庭より、猫の健康を高水準に保てるだろうと感じました。

また、『人前にさらしたり狭いケージに入れたりして可哀そうだな』という先入観もありましたが、そもそもキャットショーは1日だけであり、また、長時間人前にさらすわけではありません。
そして重要なのが『純血種』であることと『血統』です。そもそも雑種とは気質が異なっており、同一の視点で考えることは誤っているのではないかと感じました。さらには、代々受け継がれてきた気質から考えても、キャットショーに出ること自体をストレスを感じない個体が多いのでは、とも感じました。

「ブリーダーさん」
正直、上記の条件が私の価値観の上位にあるので、それが満たされていればここはどうでもいいのですが、、。

下位の価値観として、ブリーダーさんの取り組み方や思考も気になりました。正直、私はブリーディングや品種改良においては、現在も否定派です。ただ、それは、ブリーダーさんを悪く言うわけではなく (当たり前ですが、キャットショーに出るような方は健全なブリーダーさんばかりだと思いますし、、) 、あくまで『私の価値観』として『動物の繁殖をコントロールして制御する』という行為が許容できない、というだけです。

しかしながら、そもそも動物と人の関係において、『ベースは人間のエゴ』であると思います。われわれは豚や鶏の肉を食べ、魚を解体して食します。薬の治験なども、まずは動物で行っており、その過程があって初めて我々はその薬を用いて健康を享受できているのだと思います。
人が自身の自尊心を満たし、かつ生計を立てることができており、非常に理にかなった動物とのかかわりの一形態であると言えます。

その点から考えれば、キャットショーは全く私の価値観における拒絶すべき対象ではない、ということが分かりました。

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だらだらと、自分の価値観を書き綴ってしまいました、、。

こういった経験は、私の価値観を修正するいい機会であると再認識しました。

とても勉強になる、有意義な時間でした。

安宅和人さんの「ポスト平成のシン・ニホン」のまとめと私の研究の位置づけ

2019年2月15日、News Picksのイベント「ポスト平成のシン・ニホン」に参加してきました。

安宅さんは名著「イシューからはじめよ」の著者であり、私も本書を読んで非常に勉強させてもらいました。今回はその安宅さんが講演するということで、非常にワクワクしながら参加してきました。

門外漢の私なりに内容を理解し、私の研究分野はこの問題にどう関わっていくべきなのかをまとめてみました。

マインドマップは以下の通りです。

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まず安宅さんがお話しされたのは、

『AIが大きく発展している現代人は、まさに歴史的局面に立ち会えているという幸運を噛みしめるべきだ!!』

ということでした。

我々はまさしく時代の変革期を生きており、その変容を自身の目で見ることができることは非常に幸運なことです!

そして、その変革期において、

日本がいかに他国から遅れをとっているか、
多角的なデータを示しつつ、客観的にみていくことで非常に理解がしやすかったです。

ということを、非常に多角的な側面からデータを引用しつつ、解説されていました。

特に近年は「中国」の台頭が目覚ましく、GDPだけでなく学術論文の数といった側面においては日本は大きく後れを取っているようです。

 

では、具体的に日本の何が弱みなのかというと、以下の3つであるといいます。

収集力

処理力

出力力

 

全部じゃん!!って感じですが、、、

バズるようなアプリを多く開発する他国では、それにより多くの顧客データを獲得できます。そしてそのデータをさらにビッグデータとして活用することができます。

Google、Amazon、FacebookやAppleといった企業が特に多くの顧客を獲得し、そこで得たビッグデータを活用することでさらに新しいサービスを開拓し、また顧客を獲得していく、、。

このような小国規模のパワーを持った企業に、現在の社会は牛耳られています。

そして、日本の優秀な人材も海外の優良企業に流れていくことで、ますます日本の力は縮小します。

 

ほかにも、日本は電気代などのそもそものコストが高いという点でも不利なようです。

 

ビッグデータを活用する技術もイスラエルや米国に独占され、打つ手がないと、、。

 

 

では、日本に明るい未来はないのか、、?

そんなことはないと安宅さんは言います。

まず取り組むべきは

「人材育成」

だといいます。

 

そもそもの、プログラミングをはじめとするICT教育体制が日本の義務教育において未熟であり、若者で優秀な人材が生まれにくいといいます。

さらには、企業の中間管理職もそのような知識がないため、高い水準の教育を施す人もいません。

 

また、企業に入社した新入社員には、「統計リテラシー」や「問題解決能力」が低い人が多いといいます。

これは、大学のような「一つの分野に絞った学部制度」のディスアドバンテージであるともいえます。

つまり、日本においては

そもそもの教育体制を変革

も重要な課題であるようです。

 

また、日本の勝ち筋の一つに、

「夢をカタチにする」 力

にあるといいます。

 

日本人は、ドラえもんや鉄腕アトムのように

「技術ドリブンではなく、夢や目的ドリブン」

で空想するのが得意です。

このマインドセットは、これからのビジネスにおいても重要なものであるといいます。

 

また、日本人は

「コピーしアレンジする」能力

が高いようです。

これは、

「アイデアを創出する」能力

ともいえます。

アイデアを生み出すには幅広くダイバーシティの高い知識が必要になります。

つまり、

他分野に精通した人材の育成が必要になり、

100万人に1人の能力を備えた人材よりも、

100人に1人の能力を3つ備えた人材を目指す

ことが重要になり、そのような知識を備えた秀才を作り上げる必要があります。

それには、やはり先ほど述べたように、大学の教育体制も改める必要があるといえます。

 

そして、天才の存在も忘れてはいけません。

彼らのような一握りの人材を輩出するためには、

広く浅く、型に当てはめてロボットを作るような教育体系から、より自由度が高く

「子供の興味や個性を尊重し伸ばす」教育体制

そして

親のそのようなマインドセット

を作る必要があります。

 

また、日本でこのような人材が少ない理由として、PhD取得率が低さが大きな課題点だといえます。

日本では大学院生に対しての認識が他国とは異なっています。というのも、そもそも大学院に進学する人のマインドセットが「就職に失敗したから」といった受動的なものであることも問題点です。

そして、そもそも大学院に進学する人が少ない大きな要因として、

  1. 学費が高い
  2. 卒業後の職が安定していない

といったものが挙げられます。

日本では学術振興会などの支援はあるものの、ハードルが高く、限られた人間しか支援が受けられません。

また、卒業後の就職先の見通しもなく、取った後の進路も安定していません。

これらの現状から、日本ではPhD取得率が低いのだといいます。

 

そして、やはりこれらの問題を解決するには、何度も述べているように日本の教育体制を抜本から見直す必要があるといえます。

 

では、日本ではなぜこのように大学院および卒業後の進路に関連した支援が薄いのかというと、圧迫する「国民医療費」などの問題点が挙げられます。

 

これらの財政の圧迫が、支援を妨げている原因の一つとして考えられます。

 

そこでようやく、

われわれ動物介在療法学の分野が関係してきます!!

つまり、動物を飼うことでQOLの向上、そして心理面や生理面、社会面の健康効果増進をもたらすことで、国民の健康寿命を延伸することができます。

さらには、疾患患者の症状を抑えるといった療法を行うことで医療費の削減をもたらし、子供のよりよい発達や発育を補助することもできます。

 

ひじょうに長い道のりとなりましたが、ようやく我々の分野の話につなげることができました。

 

最初、安宅さんの話を聞いている限りでは、私(の分野)が力になれることなんてないんだろうなと思っていました。

しかし、最後の最後になって、我々の分野も関わることができるかもしれない、ということがわかりました。

 

これからの明るい未来の日本築くためには、国民全体のマインドセットをより改革し、国民全員でこの問題に取り組む必要があるといえます。

我々のように、遠く、大した力にはなれない分野の人間でも、少し視点を変えれば貢献できる部分があるのだと思います。

 

これからも、自分の研究に精進していきたいなと思いました。

 

虎太郎

 

 

『究極的なシンプル』は『高度に複雑性を含む』ということ

2018年の8月下旬、横浜の赤レンガ倉庫にて、ディック・ブルーナの作品展『シンプルの正体』が開催されていました。

多くの学びがあったので、今日はそのことを書いておきたいと思います。

 

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この作品展をみた私の所感は、

【究極的に磨き上げられた真に完成した物体は、一見してシンプルに見える】

ということです。

 

ディック・ブルーナ氏は、あの「ミッフィー」の生みの親であり、ミッフィー以外にもブラック・ベアなどの多くのキャラクターを生み出しました。

恥ずかしながら、私は今回の作品展でディック氏のミッフィー以外の作品を初めて見ました。氏の絵は単純にかわいく、そして非常にシンプルな印象をもちました。

氏の作品には、以下のようないくつかの特徴があり、

 

『効果的な色使い』・『大胆な省略』・『ユーモラスな線』・『リズミカルな反復』

 

本作品展ではそれぞれに焦点を当て、象徴的な作品を展示していました。

 

これらの特徴は、ディック氏の作品の「シンプルさ」をきわだたせる技法でもあります。

 

そして、私が特に感銘を受けたのが『大胆な省略』であり、

ディック氏の描く動物や無機物などを究極的に簡略化した絵

に非常に惹かれました。

 

(ブラックベアの商品) ディック・ブルーナ 公式オンラインショップのサイトより抜粋
(http://www.bruna.jp/products/detail.php?product_id=6441)

 

ディック氏はこれらの、一見してシンプルな絵を描く前に、

その対象物を”何度も精緻にスケッチ”した上で”無駄なものをぎりぎりまで”そぎ落としていくプロセス

を経ると言います。

 

この概念は多くの分野に通じるものだと思われます。

例えば、研究活動です。

 

東京大学の暦本純一教授はツイッターでこんな発言をされていました。

『Thesisも論文もつまるところは1行。でもそれでは説得できないし根拠もないし再現性もないし既存研究との差分も説明されていないし理解に必要な予備知識も説明されていないし、と補足していくのでボリュームが出る。逆にその1行がないのにボリュームだけ作ってもそれは紙ではあっても論文ではない。』

 

これは研究活動に従事する者にとって、とても重要なマインドだと思います。

 

ディック氏が行った『精緻なデッサンを書く』という複雑性の高いプロセスは必要不可欠な工程です。

しかし、結果的に『シンプルな究極型』が産まれるまでは、その作品はまだ未完成であるとも言えます。

研究活動も同じであり、仮説をもとに検証をくりかえし、解析をかさね、考察を磨きあげていくという複雑性の高いプロセスがに必要です。そして、最終的に1行で表すことができて、はじめて論文が完成するというわけですね。

 

これの考え方、人気漫画のHUNTER X HUNTERに出てくるネテロ会長のワザ、「百式観音」にも通じるかと。

ネテロ会長は「正拳突き1万回」を毎日、長い年月をかけて繰り返しました。そして、余分な動作を極限まで削ぎ落としていった結果、音さえも置き去りにする究極の正拳突きが完成しました。

 

つまり何が言いたいかって言うと、

【ディック氏の作品】も【研究論文】も【ネテロ会長の正拳突き】も、

質の高い複雑性を含んだ活動

究極にシンプルで高い機能性を持つ産物を産む

 

ということの例なのではないかということです。

 

究極なシンプルさの奥には、究極な複雑さがあるのですね。

というのが、今日の私の気づきでした!

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