猫の健康効果

ペットを飼うと高齢者は幸せになる!?|ペットがもたらす健康寿命延伸効果

近年は、医療技術・健康に関する知見の普及発展により、人の平均寿命や健康寿命は長くなっています。特に日本は、世界一の長寿の国といわれています。
また、猫などのペットの寿命も延伸しており、人とペットは今後、さらに長期間に渡って共生していくことが予想されます。

そんな中、「ペットが高齢者にもたらす健康効果」が注目されています。

この記事では「ペット飼育がもたらす高齢者の認知機能、身体機能、心理状態への健康効果」を研究した論文を紹介します。

 
 

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ペットを飼うとアレルギー性疾患にならない!?|ペットの持つアレルギーへの効用

 
犬や猫を子どもの頃から飼っている人は、彼らが情操教育に役立つ存在であったことを実感しているかもしれません。
ペットロスの経験、飼育管理の責任意識、それらがもたらす精神的成長は、何ごとにも変えがたいものです。
 
一方で、ペットの飼育はそのような健康効果だけではなく、「アレルギー性疾患のリスク」を下げるという効果もあることを知っていますか?
 
この記事では、「犬や猫を飼育することでアレルギー疾患に罹りづらくなる」ということを示したメタ分析研究を紹介します。
 
 

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ペットを飼っている子供は低血圧?|ペットが持つ生理学的な健康効果 (猫は、、)

ペットの健康効果には、ざっくりと「心理 (精神) 面」「生理 (身体) 面」「社会面」に分けられます。

「心理面」「社会面」に関してはアンケート調査の活用がメインとなりますが、「生理面」ではそれが難しいと言えます。故に、非常に実験が難しいと言えます。
特に「子供」を対象にした実験では、更にその難易度が上がります。

この記事では、「ペットの飼育」が「子供の生理的健康効果」と関わりがあるかを調査した研究を紹介します。

 

■文献情報

〇題目

Prenatal and postnatal exposure to pet ownership, blood pressure, and hypertension in children: The Seven Northeastern Cities study. 
 

〇著者

Xu, Shu-Li & Trevathan, Edwin & Qian, Zhengmin & Vivian, Elaina & Yang, Boyi & Hu, Li-Wen & Zeng, Xiao-Wen & Li, Meng & Zhou, Yang & Qin, Xiao-Di & Wenwen, Bao & Yuan, Ping & Zhang, Ya-Zhi & Wang, Jia & Zhang, Chuan & Tian, Yan-Peng & Nian, Min & Xiao, Xiang & Dong, Guang-Hui.
 

〇雑誌

Journal of Hypertension. (2016).35. 1. 10.1097/HJH.0000000000001166.
 
 

■研究概要 (序論~方法) 

〇背景

 
ペットが人の健康、特に血圧などの生理面に及ぼす影響は多く議論されています。
しかし、それらの多くは成人を対象にしており、子供を対象としたものは少数です。
 

〇目的

 
ペット飼育と子供の血圧に関係性はあるか調べること
 

〇被験者情報

 
5から17歳の子供9354人
ペットを飼育していた人は2127人で、犬の飼育者は482人、猫の飼育者は325人。
 

〇評価と実験方法

 
評価の軸は大きく2種類。
 
「収縮期 (最高) および拡張期 (最低) 血圧」
☞ 血圧は3回測定された
 
「高血圧」
☞ 判断基準は、「性別」「年齢」「身長」を基に割り出された基準値を超えるか否か
 
 
また、「飼育歴」「家庭内経済状況」「親の教育レベル」「受動喫煙」「家族の高血圧歴」などなど、解析で調整するためにさまざまな項目が調査された。
 
 
 

■研究概要 (結果~考察)

〇メインで得られた結果

 
ペットの飼育している人は、そうでない人よりも、「高血圧」の発症数も「血圧」の数値自体も、低い傾向にあった。
その傾向は犬の飼育者でより顕著であった。
 
 

〇面白い・特筆すべき結果

 
その他、「家庭内経済状況」などの様々な因子の影響を考慮した上での結果は以下の通り。
 
・「その子供の生後2年の間にペットが家庭にいたか否か」は、結果と無関係
・一方で、「現在ペットを飼っているか否か」では、飼っている子どもの方が高血圧の割合は低かった
・また、男児のみ、「生まれる前 (まだ母親の子宮の中にいる時) にペットが家庭内いた」方が「高血圧」の割合が少なかった
 
 
・「ペットの飼育」の有無で、「血圧の値」において有意な違いが見られたのは「女児」のみで、「最低血圧」が低いことが分かった
 
・動物の種類別で分けた時、すべての動物種 (犬・猫・鳥・牧場動物・その他動物) で血圧が低いことが分かったが、統計学的に有意な違いが見られたのは「犬」と「その他動物」のみであった。
 

〇筆者の意見・主張

 
ペットの飼育は、子どもの血圧の上昇を抑え、高血圧のリスクを下げることが分かった。
 

■感想と転用

〇 ものすごい数の大規模調査

 
48もの小中学校の子供たち9354人を対象って、えぐすぎますね。
この論文では過去に行われた「ペット」と「血圧」の関係性に関する研究を表でまとめてくれています。
そこで記載されている人数たちと比較すると、いかにこの研究の対象人数が多いかが分かります。
(過去の研究では多くて5000人くらい)。
 
子どもを対象にした実験は、実験の承諾などはご両親が関わってくるはずですし、成人よりも倫理的な配慮がとても大変だったと思われます。
研究のそういった準備部分を考えると、この人数に対する調査がいかにヤバいかが分かります。笑
 
ゆえに、すごく信頼性が高く、すごく価値がある研究です。
ゆえに、猫ではっきり結果が出ていないのが、すごく悔しい、、。笑
 
考察で述べられていますが、今回の調査で統計学的な差が見られたのは「犬 (482人)」と 「その他動物 (504人)」だけでしたが、その理由が「被験者の数」の可能性があります。
猫の飼育者は176名で、3倍近くの差があります。
 
この調査は中国で行われたようですが、中国は確か犬の飼育頭数の方が多いんですよね。
(日本を含めた他の先進国では、猫の飼育頭数が多い傾向にあり)
 
猫の飼育頭数ももう少し確保できるような地域だったならば、、と思うばかりです。
 
 

〇 過去の研究との差分

 
過去に5079人の成人に対して行われた研究では、ペットの飼育は血圧に影響を及ぼさず、最低血圧は高い傾向にあることが示されていたようです。
 
全文が見れないので考察は見れてないのですが、明らかに今回の結果とは逆ですね。
 
人数の規模を考えると、被験者の数とかは関係なさそうです。
子どもと成人の違い、なのか、、。
 
 
〇 最低血圧のが重要らしい
 
血圧には「最高 (収縮期) 血圧」と「最低 (拡張期) 血圧」の2種類がありますが、「高血圧」とのかかわりが深いのは後者の方のようです。
 
この研究の結果でも「最低血圧」でのみ有意な結果が見られていることから、結果の信頼性がさらに伺えます。
 
 
日本医事新報社

猫を飼育すると幸福感が減少する?|日本の小学生に実施された「ペットと健康」の大規模調査

昨日の記事で、「猫を飼育している子どもは、精神的健康の状態が悪い」という悲しい論文を紹介しました。
調べてみると、他の論文でも、「猫の飼育は、子供の幸福感を減少させる」という結果が見られたようです。
 
この記事では、東京都の小学生に対して実施した大規模な健康調査に関する論文を紹介します。
 

■文献情報

〇題目

Dog and Cat Ownership Predicts Adolescents’ Mental Well-Being: A Population-Based Longitudinal Study
 

〇著者

Endo, K., Yamasaki, S., Ando, S., Kikusui, T., Mogi, K., Nagasawa, M., Kamimura, I., Ishihara, J., Nakanishi, M., Usami, S., Hiraiwa-Hasegawa, M., Kasai, K., & Nishida, A.
 

〇雑誌

International journal of environmental research and public health, 2020, 17(3), 884. https://doi.org/10.3390/ijerph17030884
 
 

■研究概要 (序論~方法) 

〇背景

 
精神的健康とペットの飼育の間の関係性は示唆されている。しかし、しっかりとした縦断的研究 (追跡調査を行う研究) は不足している。
 

〇目的

 
代表的なペットである犬と猫の飼育が、子供の精神的幸福感を予測する要素となりえるかを調査すること。
 

〇被験者情報

 
東京ティーンコホートという団体で得られている、子供たち2584名のデータを使用。
 

〇評価方法

 
「幸福感」の評価は「5-item World Health Organization Well-Being Index (WHO5)」と呼ばれる5つの質問で構成された尺度で実施。
直近2週間を振り返り、「自身の幸福感を自分で」6段階で採点する。
 
質問内容は「明るく,楽しい気分で過ごしたか?」といった質問で、以下のサイトから無料で閲覧可能。
 
 

〇実験・調査方法

 
子供が10歳の時、そして2年後の12歳の時に答えた「WHO5の点数」を比較する。
 
 
 

■研究概要 (結果~考察)

〇メインで得られた結果

 
猫を飼育してる子供、12歳の時の幸福感が10歳の時より減少しており、「犬も猫も飼っていない子供」よりも低い数値を示した。
 

〇面白い・特筆すべき結果

 
「犬を飼育している子供」は、幸福感に大きな変動はなく、維持していた。
 
 

〇筆者の意見・主張

 
「猫を飼育している子供が、12歳の時に幸福感か低下していた」という結果に対して考えられる仮説・およびそれに伴う考察、は以下の通り。
 
・犬のような「散歩」が世話に含まれていないので、「身体活動」が低いから
 
精神疾患と関わりがあり、かつ、猫と人の共通感染症である「トキソプラズマ症」による影響から
 
・犬と人では頻繁に研究されている「オキシトシンの分泌」が猫では生じないから (そもそも研究が行われていないので不明瞭)
 
 

■感想と転用

 
猫好きとしては、この研究結果をみると白目を剥いてしまいます。
 
なぜこのような結果が出たのかについて、著者は複数の仮説を当てはめていました。また、それに伴い、いくつかの「研究の制限」も述べていました。
 
私なりの意見も交えつつ、解説してみます。
 

〇 能動性の問題

 
例えば、この小学生が、「自らの意志で能動的に」猫を飼育していたか否かは非常に重要な点であるといえます。
 
「親がもともと猫好きなので昔から飼っていた (受動的)」
ポジティブな影響 → ペットとの愛着や絆が形成されやすい
ネガティブな影響 → 子供自身は別に好きではない
 
「子ども自身が『飼いたい』といって飼い始めた (能動的)」
ポジティブな影響 → ペットとの愛着や絆が形成されやすい
ネガティブな影響 → 飼い始めたら意外と、、
 
どっちの方が、っていうのは難しいところですが、分析する上では重要なファクターなのかなと思います。
 
著者の方も、「ペットの飼育期間や年齢」といった背景をもっと掘るべきだと話しています。
 

〇 愛着の程度

 
上記とほぼ同じですが、子どもが「猫に抱いている印象、結んでいる絆や愛着」も重要だと考えます。
 
著者の方が言うように、「そのペットの世話の有無」など、そもそものペットとの関わり合いについても分析に入れる必要があるように思います。
 
 

〇 一般的、主観的な健康を見ていない点

 

質問項目を見てもらえれば分かると思いますが、かなり広域な (メタ的っていうんですかね) 概念としての「幸福感」を質問で聞いています。

 
もう少し具体的な項目を、「心理」「社会」的な健康効果も含めて、評価する必要もあると著者は述べています。
 
また、その他の交絡因子 (影響を及ぼしそうな要素) がものすごくあるので、その部分を調整して分析していく必要も、とも述べています。
因子は挙げだしたらキリがありませんが。。
 
 

〇 個体特性によって違ったりしない?

 
ここは完璧に私個人の意見ですが、「個体特性」も結構重要な気がします。
 
犬や猫にも個性があります。
(犬であれば、特にその個性は「犬種」にも左右はされると思いますが。)
 
例えば、「いつでも人にベタベタの甘えん坊」もいれば、「人からの接触をまったく許容しないツンツン」もいるし、その中間で「ツンデレを使いこなす」子もいます。
 
「運動」というファクターを考えた時に、その運動の種類 (ウォーキング?ランニング?スポーツ?) を考えるのと同じように、「ペット」についても細かく分類して考える必要があるのかな、と思います。
 
 
まあ、それ以外の制限の解消の方が優先度は高いので、もっと未来の研究の話になるのかな、とは思います。
 
 
 

 
明日は、「ペットの飼育」と「生理学的な健康効果」について研究した論文を関連論文として紹介します。
 
 
この論文も、猫はあんまりポジティブではないんですよね、、、笑
 
気が重いですが笑

猫は子供の精神衛生上よくない?|猫を飼っている子供は精神健康上の問題を多く抱えている、かも

昨日の記事でお伝えした通り、猫の飼育が、その家庭の子供の精神的疾患と関わりがある可能性が研究で明らかになっています。
 
かなり気になったので、元の文献をたどってみました。
 
全文が見れないので考察部分が読めないのは残念ですが、その研究の要約部分と、そしてその研究の内容について記述してある他の文献も合わせて紹介します。
 
 

■文献情報

〇題目

Household Cats and Children’s Mental Health (研究の原著論文)
② The Effects Pet Dogs and Cats Have On Children
 

〇著者

① Moira R. Riley, Bonita Gibb & Anne Gadomski
② Belkees Salem Alowami 学生?  (指導教員 Asma Alfarsey)
 

〇雑誌

① 2018, Volume 6, No. 2Human-Animal Interaction >HAI Bulletin Articles
 
② 2017 Libyan International Medical University Faculty of Basic Medical Science

■研究概要

〇背景

 
猫は犬と並んで、代表的なコンパニオンアニマルである。
 
成人の健康にポジティブな影響を及ぼすことは信じられている。
しかしながら、子供の発達に及ぼす影響に関しては、ポジティブな物とネガティブな物の両方が考えられている。
 
 

〇被験者情報

 
研究の参加者は、643名の子供たち。
年齢が4~10歳の小学生
猫を飼っていたる子供は180人で、飼っていない子供は463人であった。
 
 

〇評価方法

 
両親から「子どもたちの精神疾患」等を評価してもらう。
その他にも、その両親の「抑うつ程度」なども聞き取り調査し、結果の解析に用いた。
 
 

〇メインで得られた結果

 
猫を飼育している家庭の子供は、「精神的健康上の問題」の発生リスクが3倍であった。
とくに「注意能力の問題」を多く持つ傾向にあった。
 
そしてこの結果は、「子どもの年齢」「貧困度合い」「両親の抑うつ状態」等の条件を考慮に入れて解析しているため、これらの要因は関係ないことが示された。
 
 

〇筆者の意見・主張

 
この「猫」と「精神的健康への悪影響」関係性における因果関係はまだ分からないため、今後はより詳細な研究が望まれる。
 
 
 

■感想と転用

〇 大規模な調査

 
643名の子ども、という人数が多いと捉えるか、少ないと捉えるかは人それぞれですが、私は多いと感じました。
子どもの、さらにはその後両親に調査をと考えると、色々考慮すべき事項や、実験実施までに踏むべきステップが沢山あり、大変だっただろうと思います。
しかも、著者3人しかおらんし、、。
 
この人数で解析した結果が、「統計の端 (偶然だった)」であると考えるのは、ちょっと違和感ありますね。。

〇 他の要因を考慮してもこの結果ということは、、

 
「貧困」や、「両親の精神的状態」を考慮に入れても「猫のネガティブ結果」が見られたというのは驚きです。
この研究をみると、明らかに「猫の飼育」は「小学生くらいの年齢の子供」にネガティブな影響を及ぼす因子なのでは、、と捉えられます。
 
もちろん追加で調査をする必要はありますが。
 
 
 
実は、この文献を調べる中で、似たように「猫のネガティブ効果」が見られたという最新の研究を見つけました。
それも、なんと日本で行われた研究です。
 
猫のネガティブデータは、調べていてかなり気の重いのものなのですが、、笑
 
その結果をどのように考察しているか気になるので、明日はその文献を紹介したいと思います。
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