方法と材料

Google Forms (グーグル フォーム) ってなんだ?使い方は?なんで便利?|オンラインでのアンケート調査で必須のソフト

研究活動において、「アンケート」は欠かせない存在です。

アンケート自体がメインの「調査系の研究」以外であっても、例えば実験の前後で被験者に「アンケート」を取ることは必須の作業であるといえます。

そういった「アンケート」の結果が、実験で得られた結果を大きく左右する可能性は十分に考えられるからです。

 

しかし、「アンケート調査」には、「作成にかける労力」「集計や解析の労力」が大きいという悩ましい課題点も存在します。

 

この記事では、「アンケート調査」の課題点を克服し、その作業を楽にするソフト「Google Forms (グーグル フォーム)」の「便利さ」「使い方」を紹介します。

 


 

Google Formsの利点の説明

だれでも

Google Formsとは、グーグルが提供している「オンライン上のアンケート調査ソフトウェア」です。

グーグルのアカウントを持っている人なら、だれでも作成が可能です。

「質問の内容」「質問の回答の仕方」を自分で入力し設定すれば、もう完成です。
即、アンケートの実施と収集、解析が可能になります。

オンラインなので紙に出力する手間や郵送する手間配って回収してという作業コストもかかりません。

そしてなんといっても、無料で利用できます。

 

いつでも・どこでも・だれにでも

アンケートがメインの調査系研究で肝になるのは、なんといっても「サンプル数」です。

「紙」などの調査と比較し、オンライン調査では多くの人数に回答を依頼することが可能になります。

さらに、このGoogle Formsは、「配布の仕方」が非常に簡単なのも特徴です。

メールで送ったり、URLをコピペしてLINEやSNSで拡散したり、HTMLへの埋め込みでブログで表示ことも出来ます。

 

 

沖縄から北海道まで、どんな場所にいる人にも、どんな時間帯の時でも、会ったことのないようなどんな人でも、回答を依頼することが可能です。

「サンプル数を増やす」には、もってこいのソフトです。

 

研究の内容、アンケートの種類などによっては、『時系列的』『環境的』な『回答のタイミング』が結果を左右する場合があります。

その場合は、「アンケートの配布」や「回答の受付の有無」をコントロールして、正しい結果を得られるような工夫が必要です。

 

多様な分野の研究で実際に活用されている

実際に、Google Formsは多くの研究で活用されています。

人と動物の関係学に関する研究でも、それは同じです。

 

My Dog Is Not My Cat: Owner Perception of the Personalities of Dogs and Cats Living in the Same Household
猫と犬の性格に対する飼い主の認識の調査

The Values and Beliefs Regarding Pet Ownership Around Trelissick Park in Wellington, New Zealand
犬猫の野生動物への影響を調査した研究

 

多くの研究者が、このソフトの有用性を実感していることがわかります。

 

Google Formsでのアンケート作成の手順

1.どんな質問内容にするかを、他ソフトでまとめる

いきなりGoogle Formsをいじらないこと

これ、けっこう重要です。

私は以前アンケートを作る際、「最初からGoogle Forms上で」作りはじめました。
これすると、めちゃくちゃ『出戻り』が発生します。

”ここのカテゴリーの回答方法、ぜんぶ変えることになった、、”
”複数の質問でつかってた単語表現、一個一個変えなきゃいけなくなった、、” 

といった感じで、改変やミスが起きたときの『修正作業』に関しては、Google Formsは効率がとても悪かったです。

私も今後は、Google Formsにいきなり作業することはやめ、Excelマインドマップでまとめるようにしようと思いました。
みなさんもぜひそうしてみてください。

質問は「カテゴリー」ごとに分類して整理する

質問項目を考えていると、あれもこれもとアイデアが浮かんできます。

思考段階なら、いくらでもアイデアを広げて質問は作るべきですが、丁寧にまとめないと収拾がつかなくなります

Excelなら、「質問カテゴリーごとにSheetを分けて整理する」と、思考がまとまりやすいと思います。

2.どんな回答方法にするか?

ここも、さきにGoogle Formsをいじり始めないこと

質問ごとの回答方法を考える段階も、事前にExcelなどで考えておいた方が良いです。

やはり出戻りが発生したときに、すごく手間です。

 

回答方法の種類を知ろう

Google Formsの回答方法の種類は以下の通りです。

 

 

私なりに、どの回答方法を使うべきかを考える際の、思考フローを作ってみました。

 

 

 

左側の「記述式」「チェックボックス式」は、わかりやすいと思います。

また、おそらく研究で一番使うのは「選択式 (グリッド)」「均等目盛」かなと思います。
メリット・デメリットを整理して決定しましょう。

 

 

また、Google Formsは、「回答の仕方に応じて、質問内容を変化させる」ことが出来ます。
つまり、「Aと答えた人には、この質問を」「Bと答えた人には、この質問を」のように変化させることが出来ます。
これも、Google Formsの特徴の1つです。

このような質問の分岐を使用するには、「プルダウン」「ラジオボタン」という回答方法を用いる必要があります。

 

 

この分岐については、後述します。

 

3.いよいよ、Google Forms をいじってみよう!

Googleのアカウントを持っている人なら誰でも使用可能

グーグルを開いて、「Google Drive」から、新規作成ができます。

 

 

セクションという概念を覚えよう

フォームは、「セクション」「質問」に概念が分かれています。
セクションの中に、(複数の) 質問が入っているイメージですね。
「セクション」も「質問」も、右側のバーから作成することが出来ます。

 

 

このセクションとは、「回答者が回答する時に現れる『画面』の1つ1つに相当する」と思ってください。
つまり、セクションを5つ作ったら、被験者は回答時に、画面を5回移りながら質問に回答していくことになります。

なぜそんな複雑な?と思うかもしれません。
理由は複数ありますが、その1つに、先ほど触れた「選択肢による分岐」があります。

詳しく言うと、「Aと回答した人には『このセクション』の質問を」「Bと回答した人には『このセクション』を」、といった感じで、回答結果に応じてセクションを変えることが可能です。

例えば、「猫派と犬派」のそれぞれに異なる質問群を投げかけたい場合、「猫派用の質問セクション」「犬派用の質問セクション」を作っておき、分岐しておくと便利です。

 

 

この分岐機能を活用することで、研究者の解析の簡易さ、さらには回答者の回答工数の削減など、多くのメリットがあります。

 

その他の便利機能

質問の回答漏れを防ぐ「必須」ボタン

「質問の一部回答漏れ」というのは、研究者にとって圧倒的な悲劇です。
オフラインであればその場でダブルチェックをすれば漏れは防げますが、それでもヒューマンエラーは起こりえます。

一方で、Google Formsでは「必須の回答」という機能があります。

 

これにチェックを入れてれば、回答者がこの質問を回答し忘れた時にソフトが感知してそれを回答者に知らせてくれます。

 

 

コピペで作成速度アップ

似たような「セクション」や「質問」は、コピペすればOK
一から作る必要はありません。

 

シャッフル機能

質問によっては、順序効果を考慮する必要があります。

例えば、「りんごが好きですか?」という質問の直後に、「好きな色はなんですか?」と聞かれた場合、『赤のイメージ』を頭に浮かべた状態で回答することになります。これは良いアンケートとは言えません。

これは極端な例ですが、研究におけるアンケートも、場合によっては「質問の順序をランダム」にする必要があります。

Google Formsなら、この操作もボタン一つで可能です。

 

 

Google Formsは、データの解析・集計にも便利

Google Formsの最大の魅力は「データの集計」の簡便さ

アンケート調査を「紙」「インタビュー形式」などで行った場合、それを解析できる形に落とし込むために、パソコンに打ち込む労力が必要になります。

Google Forms最大の特徴の1つは「データの集計」の簡易さです。

 

 

既に「円グラフや」「ヒストグラム」でまとめてくれており、コピペまで楽々。

 

Spread Sheet (スプレッドシート) へ、生データを出力可能

一方で、平均値標準偏差といった「統計量」はさすがに出ません。ので、生データを取りだす必要があります。

Google Formsでは、Spreadsheet (スプレッドシート) というソフトに出力することができます。
SpreadSheetとは、Microsoftが出している「Excel」の、Google版みたいなものです。

データだし方もいたってシンプル。

 

 

ただ、統計ソフトを活用するために、結局はExcelへコピペする必要があります。。

 

Excelへの出力も出来る、、が、、

CSV形式で、生データをExcel形式で取り出すこともできます。
上記の理由からも、こっちのほうが良いように思えるかもしれません。

が、なぜかCSVで出力すると文字化けするので、別の操作工程が必要になり、個人的にはやりづらいと感じています。

Excel形式で出力するよりも、Spreadsheetで出力して、それをコピーして自分でExcelに貼り付けるほうが早いと感じます。

 


 

Google Formsの活用の幅は「研究」だけではありません。

「飲み会の出欠確認」などの対・大人数タスクの管理や、「日記・体重などの管理と確認」などのパーソナルな管理にも活用できるかもしれません。

それが『無料』ときたら、活用しない手はないですね。

みなさんも、幅広い活用の幅がある万能ツール「Google Forms」を使って、卒論を良いものに仕上げていってください。

 

後輩指導|統計解析の講習会|なんで研究に統計が必要か、分かっていますか??【概念と原理の理解 編】

『統計』

言葉を見るだけで、ネガティブなイメージを思い浮かべる人が多いと思います。
もちろん私もそうです。

ただ、少しだけ統計に関する知識と理解が深まり、統計の面白いさが分かってきました。
くわえて、その重要性も認識することが出来るようになりました。

この記事では、卒業論文を作成するうえで必要となる、「統計解析」の概念や原理といった、初歩の部分を解説します。

 

~~(=^・・^=)~~

 

統計を学ぶ上で、まず知っておいてほしいこと

研究する上で、統計って100%必要?

答えはNOです。

まず統計の定義ですが、以下のとおりです。

統計(とうけい、statistic)は、現象を調査することによって数量で把握すること、または、調査によって得られた数量データ(統計量)のことである。統計の性質を調べる学問は統計学である。

Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%B1%E8%A8%88

 

では考えてみましょう。
この世の研究はすべて、数量を扱い、統計解析を行うものでしょうか?

 

例えば、文系の大学における研究のように、ある概念ついての文献を整理して体系的にまとめた、数量データを全く扱っていない論文があるとします。
この研究は、無価値でしょうか?
全くそんなことはありませんよね。

例えば、超希少な野生動物の生態を調査し、その動物の行動をたった1個体だけ撮影して記録した研究があるとします。
それは無意味な研究でしょうか。
全くそうではありません。

みなさんが認識しておくべき大事なことは、研究の道筋は1つではないということです。
すなわち、統計解析は研究の命ではないのです。

研究分野やその内容によって、「統計解析」を用いるか否かは変わってくるのです。

統計解析は、実験結果を解析する上で用いる『道具の1つ』だと考えてください。

 

じゃあ、何で統計を学ぶ必要があるの?

 

答えは簡単で、わたしたちが所属している研究室の分野は、統計解析を用いることができる研究分野だからです。
(というより、上記で例として挙げた分野も含めて、ほとんどの研究分野が統計解析を必須としています)

「動物と触れ合うことによるコルチゾールの減少」
「馬に乗った際の酸素化ヘモグロビン濃度の賦活化」…etc

どれも、研究を複数回実施することが可能で (サンプルが沢山あって) 、多くの実験データを取ることが可能 (データを沢山手に入れることができる) です。

 

そして、この「統計解析」を上手に使いこなせれば、それは皆さんにとって心強い武器になります。

すなわち、自分の実験結果を元にはっきりと自分の意見を主張することができるようになるのです。

 

もちろん、
疾患患者さんを対象にした難しい実験を計画している人は、サンプル数やデータ数が少なく、統計解析を用いることが不可能である場合もありますが、、。

 

 

統計の基本原理

統計解析を行う必要って?

ずばり、「研究結果のもっともらしさ」をアピールするために他なりません。

順を追って説明します。

みなさんが実験をした後、その実験結果から何らかの考察を考え、自分の意見を主張することになります。
研究論文とは、そういうものです。

その際、とても重要なことがあります。それは、

「あなたの研究の結果ってホント?」っていわれた時に、
「ホントだよ!!」って胸を張って言えるか否かです。

みなさんは研究を実際にやった張本人です。
当然、そのように主張するでしょう。
しかし、それはあくまで主観的な意見になります。

研究は、客観性が非常に重要視されます。
客観性とは、「誰がみても同じように解釈できる結果か否か」度合いのようなものです。

では、あなた以外の第三者が納得するような結果であることは、どうすれば主張できるのでしょうか?

そうです、統計解析を使うんです。

統計解析を道具として上手に活用することで、

自分の実験結果を客観的に評価することができ、
第三者から見ても「もっともらしい」と思ってもらえる結果であることをアピールすることができるのです。

 

 

 

統計解析を行うことで、何が言えるようになるのか?

もう少し深く、説明をくわえます。

統計解析とは、

一部のデータ (みなさんの研究の実験結果)」で分かったことを、
全体のデータ (この世のすべての研究の実験結果)」で分かったこと、
にする作業であると言えます。

もう一段階言い換えます。

みなさんが行った実験」を、
もう一度、別の人たちに対して実施」した時、
全く同じ結果が得られるだろう
ということを主張できるようにする作業になります。

これを、難しい言葉で、再現性と言います。

たとえば、
「200人に実施した実験結果から、猫をナデナデすると血圧が減少する」
という研究結果が得られたとします。

そのあと、みなさんは考察にて、
「猫を撫でることは、血圧を減少させるといったストレス緩和効果があるので、猫が健康寿命の延伸に寄与するだろう。」
と自分の意見を主張したとします。

これって、客観的な意見でしょうか?
実は、まだ主観的な部分が強いんです。

なんでかというと、この結果はあくまで「200人」のみの実験結果であり、日本人1億2000万人全員の実験結果ではないからです。

それなのに、
「猫は血圧を下げる」
という研究結果を主観的に信じて考察を立てることは、
「残りの1億1999万9800人」
の実験結果を考慮していない、主観的な意見になってしまうからです。

ではどうすればいいか、そんな時に統計解析を使うのです。

統計解析を行うことで、
「その実験を他の人間に実施した場合、もう一度同じ結果が得られるでしょう」という、いわゆるお墨付きをもらえるのです。

このお墨付きはすなわち、客観的に「この結果はホントですよ!」と主張するために重要な結果となるのです。

 

 

 

好奇心をもち、学習しよう

 

今回の記事では、統計の話を私なりにかなりかみ砕いて説明してみました。
私が一貫して伝えてきた統計の話は、厳密に言えば「推測統計学」と呼ばれるものです。
統計学は奥が深く、記述統計学、ベイズ統計学などなど、たくさんの種類があります。

なので私は、表面をかすり取ってかみ砕いて、みなさんに伝えるしかありません。
でも、それでいいと思っています

何でかというと、みなさんが研究を「自走」するためには、自学習がどうしても必須になります。
では、自学習を推進するためにどうすればいいかというと、とにかく好奇心を誘起することだと思っています。

好奇心はすごいです。
何かを学ぶモチベーションとして強く働き、思考させ、そして理解が深まりまた好奇心が生まれて、、という良いサイクルを生み出します。

私の統計に関するかみ砕いた説明で、すこしでも「理解」を得られたのであれば、その萌芽した小さな好奇心をすくい取って大事にしてください。

 

以下では、その好奇心の先に踏み出すであろう、行動に関するコンテンツを紹介します。

 

ウェブサイト

これはもう、ググってください。笑
沢山あります。笑

玉石混交で、すげーわかりやすい文章もあれば、難解な表現もあります。

自分の理解にすこしでも繋がるコンテンツを、サーフィンしながら能動的に探してみてください。

 

これに関しては、いくつか紹介したいと思います。

 

統計学が最強の学問である (日本語) 単行本(ソフトカバー) – 2013/1/24
西内 啓

学部生のころ、初めて読んだ統計の本がこれでした。
すごく読みやすい本で、統計が今の世の中でどんな位置づけであるのか、それを丁寧に説明してくれます。

好奇心を生み出す一歩目として素晴らしい本だと思っています。

 

マンガでわかる統計学 (日本語) 単行本 – 2004/7/1
高橋 信 (著), トレンドプロ (著)

他の統計解析書とは毛色の異なる本書は、最初の学びとして適していると思います。

マンガ好きな人は、すごく取っ付きやすいと思います。
各所でがっつりした数学的説明が入りますが、飛ばして、漫画だけ読んでもいいと思います。 (私もそうしました)

このシリーズは、「回帰分析 編」「因子分析 編」などなど、めちゃくちゃ沢山のシリーズ本が出ています。
そっちも分かりやすいのでオススメです。

 

この世で一番おもしろい統計学――誰も「データ」でダマされなくなるかもしれない16講+α (日本語) 単行本(ソフトカバー) – 2014/1/30
アラン・ダブニー (著), グレディ・クライン (著),

この本も、漫画テイストの統計初心者向けの本です。

海外のイラストレーターの方なので、すごく独特な絵のタッチ (とボケの内容) です。

この本は、統計を学ぶ上で取っても大事な概念、「中心極限定理 (統計解析の肝の数学的原理?みたいなもの)」をすごく分かりやすく教えてくれます。
他書をいくら読んでもしっくりこなかった理解力のない私が、この本ですごくストンと腑に落ちました。

「なんで統計解析をすると、再現性を主張できるようになるのか」という部分の、ホントに基礎部分を説明してくれてます。

 

以上です。

ちなみに、上記の本を読んで、「じゃあ自分のデータを実際に統計解析にかけられるのか」と言われると、ちょっと無理だと思います。
実際の統計解析の手法や手順は、別の学びが必要ですし、別の本の方が参考になります。

それについては、次の記事で説明しますね。

また、統計の本なんて、たっくさんあります。
みなさんにフィットする本がどれかは、ぜひ好奇心を持って、書店で自ら本を漁って探してみてほしいです。

 

~~(=^・・^=)~~

 

いかがだったでしょうか。
すげー長くなってしまった。。

全ての物事に言えることですが、「道筋」は1つではなく、多様にあります。

統計を学ぶ方法も、それは同じです。

好奇心を持って、自分なりの方法で統計に挑んでみてください。