こんにちは。
虎太郎です。
昨日は、第120回例会・秋季シンポジウム『島根あさひ会社復帰促進センターにおける盲導犬パピー育成プログラム』に参加してきました。
学会の様子や概要はHARsのHP(http://www.hars.gr.jp/#infomation)を、
盲導犬の詳しい役割や活動については日本盲導犬協会HP(https://www.moudouken.net/knowledge/dogs-work.php)を、
ご覧いただければと思います。
本ブログでは、
①盲導犬パピー育成プログラムの効用
②盲導犬の能力や問題点
について所感を書きたいと思います。
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①盲導犬パピー育成プログラムの効用
島根あさひ社会復帰促進センターでは、「パピー育成プログラムと呼ばれる受刑者更生活動が行われています。
盲導犬は、生後2ヶ月を母犬とともにすごします。その後10ヶ月間は、パピーウォーカーと呼ばれるボランティアさんのもとで社会化をしていきます。
このプログラムでは、受刑者(このプログラムにおいては訓練生と呼ばれる)が6人で一組となり、1頭の仔犬(パピー)のパピーウォーカーになります。
今回のシンポジウムでは、そのプログラムに中心で関わっている大塚さんから、訓練生にもたらされる効用について報告がありました。
「贖罪感情の想起」
「自己肯定感の向上」
など、どの効用も興味深かったのですが、もっとも印象的だったのは、
「訓練生とWPW(Weekend Puppy Walker)との交流によってもたらされる心的効用」でした。
WPWとは、訓練生が世話をしない金曜日の午後から週末にかけて、訓練生に変わってパピーのお世話をするボランティアさんのことです。
直接、かおを合わせての交流は出来ないそうなのですが、日誌を介してパピーの様子を連絡し合います。
このやり取りが、「他者との交流が制限される受刑期間」における心的ストレスを和らげるといいます。
最初はよそよそしかった日誌も、次第にWPWさんを気遣うような(”最近寒いので体調にお気をつけて”、、など)文章も見られるようになるそうです。
更に面白いことに、無償で仔犬の世話という大変な労力を使うというボランティア精神をもつWPWさんが、
訓練生の「ロールモデル」として働くようです。
ここは、特に興味深かったです。
現に、このプログラムに参加した方は、社会復帰した後の再入所率が低いこともわかっているようです。
とっても素晴らしい活動だと思います。
②盲導犬の能力や問題点
盲導犬の仕事のデモンストレーションをしてくれた佐々木さんのお言葉で印象に残ったのが、
「視覚障碍者とは、情報障碍者である」でした。
なるほど!と思いました。
健常者は多くの外界情報を視覚で認知しています。
その視覚が失われるというのは、外界情報が失われるのと同義であるということです。
こう考えると、盲導犬の役割がしっかり理解できます。
彼らはけっして、盲導犬ユーザーに「道案内」をしているわけではありません。
盲導犬ユーザーは「行きたい場所の地図、そして順路」が頭に入っています。
その「地図」を辿る中で、
「ユーザーが得られない外界情報を『視覚に変わって認知』し、ユーザーに伝える」
という役割を担っています。
改めて、犬の自己拡張能力?の高さを実感しました。
また、盲導犬は信号の色を見分けられないので、信号の前で止まることは出来ますが、
「進むか否かはユーザーの判断に委ねられる」そうです。
近年は、目覚ましい技術の発展によって、車の運転音がおさえられるようになっています。
これは、ユーザーにとっては、好ましくない状況なのかもしれません。
早く、すべての信号に音声誘導を実装してほしいです。
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盲導犬は、自身だけでなくユーザーの位置を正確に認識し、障害物を避けることができるほどの自己拡張能力を持っています。これは、イヌやウマの人にとって有益な特性なのだなぁと改めて実感しました。
と同時に、満員電車で背中にカバンを背負ってる人を見ると、『盲導犬より自己認知能力が低...』と思ってしまいますね。
何はともあれ、今回のシンポジウムでは、私にとって、これまでにない視点で盲導犬について学ぶことができました。
非常に有意義でした。
また、広島で行われたので、美味しい食べ物も堪能できました。
牡蠣、めっちゃうまかったです。
また行きたい!