【卒業論文の作り方】序論 編 ①|起承転結で書け!

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卒業論文において、序論は重要です。
なぜなら、あなたの研究の意義と価値を示す部分だからです。
 
そして、序論が上手にかけるか否かは、その人が研究をよく理解しているか否かに左右されます。
逆に言えば、序論作りをキチンと取り組めば、実験は成功する確率が上がり、結果的に良い論文が出来上がると言えます。
 
しかし、「序論を書け」と言われても、書き方が分からない人も多いはず。
研究を初めて行うであろう大学生なら、なおさらです。
 
そこで、この記事では、卒業論文において重要な「序論」「起承転結の型」で作成する方法を紹介します。
 
 
 


 
 
 

序論とは

 
 
序論とは
「論文などで、本論への導入部分として最初に述べられる論説。緒論(しょろん)。」
 
もっと噛み砕いて説明すると、
 
「私の着目した研究分野って、今までにこんなことが分かってて、あんなことも明らかになっているのに、ここは分かってないんだよね~~。だから私は、こんな目的をもって研究しますよ~~。」
 
と説明する部分になります。
 
 
もくじ

大事な大事な導入部分

序論は、超々重要な研究の導入部分になります。
 
研究では、言わずもがな、目的がとっても大切です。
逆に言えば、この世のすべての研究はなんかしらの目的を達成するために行われています。
 
しかし、ただ単純に「こんな目的っす~」といっても駄目です。
目的を導き出す過程には「論理性」が必要になってきます。
 
なぜ、「論理性」が必要なのでしょうか?
 

「方法と材料」への架け橋

論理的に目的を導き出すのは、かなり脳で汗をかく行為です。
でも、その行為が必要なんです。
 
なぜかというと、序論は、次に作成することになる「方法と材料」を考える上での土台となる部分だからです。
 
「方法と材料」は、卒業論文で「どんな調査・実験を行うか」を記述する部分であり、「過去の研究結果」「研究分野における問題提起」に関する知識が必要不可欠です。
 
で、実はこの知識は、序論作りでめちゃくちゃ使います。
 
 
上述の文章に当てはめると、
 
「私の着目した研究分野って、今までにこんなことが分かってて (過去の研究結果)、あんなことも明らかになっているのに (過去の研究結果)、ここは分かってないんだよね~~(研究分野における問題提起)。だから私は、こんな目的をもって研究しますよ~~。」
 
となります。
 
 
つまり、「序論」をいかに論理的に書けるかどうかで、「どんな調査・実験を行うか」が決まってくるのです。だから、序論づくりは大変だけど、大切な作業になります。
 
 

序論の作り方

 
私が「序論作り」を指導する際に使っている方法があります。
 
それは、「起承転結の型」に当てはめて書くという方法です。
 

型を決めることで、グッと筆が進みやすくなる

例えばみなさんが「真っ白な紙」を渡されて、「『自転車を漕いでる男の子』の絵を書いてみて」と言われたら書けますか?絵心があり人でない限り、かなり難しいでしょう。
 
でももし、「こういうふうに書くんだよ」絵の大きな輪郭なんとなくの構造が描かれた「下書き絵」を渡されたらどうでしょう。絵心がない人とでも筆が進むのではないでしょうか。
 
 
卒業論文作成も似たようなものです。
 
今までの人生で書いたこともない、「卒業論文」という「高度な知的作業を要する物体」を急に書けと言われて、「わかりました」といってサラサラ書ける人はまれでしょう。しかも、「序論」は卒業論文の中でも特に高度な文章執筆能力が必要になります。
 
だからこそ、「先に型を決める」のです。そしてその型が「起承転結」です。
 
みなさんは、「真っ白なWord」に相対して白目をむく前に、まず「起」「承」「転」「結」と文字を打ってみてください。それぞれ、2行くらいスペースを空けて。
 
序論の書き始めは、その4つそれぞれを一つの段落と考え、4段落構成を意識します。
文章を書く前に、まずこの4段落構造を作ることで、何もない状態よりもグッと筆が進みやすくなるはずです。
 
では、それぞれの段落ではどんな文章を書いていけばいいのか、それぞれ解説していきます。
 
 

Step1 起 

ここでは、「あなたの研究テーマ」を教えて下さい。
読者は、なーんにも知りません。
 
  • あなたの着目してる研究領域って、何?
  • 社会的な位置づけは?どんな歴史がある?
  • どんなことが今までで分かっているの?
  • 専門用語があれば、その定義は?説明は?
 
研究のテーマを読者に教えてください。

Step2 承

起で述べた、大きな領域の研究内容から、少し掘り下げて考えてみます。
つまり、「その大きな研究領域の中から、特にあなたが着目している狭い領域」を教えてください。
 
  • 大きな研究領域の中で、特にその狭い領域に着目したのはなぜ?
  • 先行研究には、どんなものがある?
  • なぜみんな、あなたが着目しているその領域を研究しているの?どんな意義や価値がある?
 
あなたが学んできた知識を、整理してまとめていきます。
 

Step3 転

起承で並べ立てた先行研究、すなわち事実を踏まえて、「その研究領域において欠けていること」を、あなたの意見として述べてください。
あなたが思う、この研究領域に対する「問題提起」をしましょう。
 
  • あなたの着目している研究領域で分かっていないことは何?
  • それが分かることはなぜ重要なの?その研究分野をなぜ発展させることができる?
  • その分かっていないことは、なぜこれまで研究されていないの?理由は?
  • 解決しようとしてきた先行研究はあるの?何が足りなかった?
 
最後の結、目的につながる部分です。
 

Step4 結

最後に、起承転をふまえて、「あなたの卒論研究を行う目的」を教えて下さい。
 
  • あなたの研究はどんな結果が出ると仮説を立てている?
  • その目的を達成できたら、その研究領域はどのように発展できる?なぜ、発展する?
  • あなたの研究は、誰を幸せにする?その研究の結果を、真っ先に伝えたいのは誰?
 
次に書く「方法と材料」につながるよう、より具体性のある内容にしましょう。
むしろ、ここで「方法と材料」が頭に浮かんでいない場合、起承転がまだ甘いのだと言えます。
もう少し先行研究を漁り、脳に汗を書きましょう。
 
 

まあ結局、起承転結にはならないよ

 
上記の流れに沿って考えれば、「真っ白なWord」から「序論」を書くよりも、グッと筆が進みやすくなったと思います。
 
しかし、ここで一言いいたいです。
 
最終的には、絶対に4段落で終わりません。笑
 
なんでかっていうと、論文なんていう高度な知的作業において、そんなキレーに起承転結の4段落だけで文章がカチッと決まるわけはないからです。
 
特に、起承は文量が多くなるものなので、段落は複数あるのが普通です。
転と結も、重なり合う部分が多いため、混ざり合って一つの段落で収束することももちろんあります。
 
私が起承転結で書けといったのは、「一番難しい書き初めの段階をよりスムーズにするため」です。
 
最初のすべり出しを、この4段落構造で考えて書き始めて、その後は柔軟に段落を増減してみてください。
 
 

 
 
いかがだったでしょう。
 
起承転結の4段落構成で、ぜひ序論を書いてみてください。
 
 
遊びやサークル・部活動、恋愛など、価値観の形成が大きく行われる大学生。研究に興味のある人も、ない人も、「質の高い」卒業論文を「効率的に」こなすに越したことはありません。
 
この記事を参考にして、有意義な大学生活を過ごしてください。
 
 
 

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