【卒論テーマ決定】② 文献の探し方(オンライン検索編)

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皆さんは、Google scholar もしくはGoogle で文献を探す時、どのような方法で行っていますか?
「猫 オキシトシン」「cat oxytocin」のように、キーワードをベタ打ちするのみでしょうか?おそらく、簡単には見つかりませんよね🤔
この記事では、オンライン検索で自分の欲しい研究を見つけやすくするための「3つの視点」を紹介したいと思います👨‍🏫

もくじ

オンライン検索は難しい?

前回お話ししたように、論文を探す方法はたくさんあります。「過去の先輩の卒論」「書籍」は読みやすいですし、とても参考になります。必ず読みましょう。
ただ、私は「オンラインでの収集」をお勧めしました。前回の記事を参照し、欲しい文献を効率的に見つけてほしいです。
ただそれでも欲しい文献が見つからない場合、Google scholar もしくはGoogle で検索をかけ、自力で探すことになると思います。
この検索、けっこう曲者です。たぶん皆さん、「自分が欲しいと思っている情報」が上手く見つけられないのではないでしょうか?
そこで、私なりにコツを3つの視点からにまとめました。

視点① 知りたいことを「言語化」

この視点、とても大切です。でも、多くの人が抜けてます。

あなたが今「調べている」「探している」文献は、『どのような文章』『どのような情報』が記載されていて欲しいのでしょうか?なんとなくではダメです。『具体的に言語化して表現』が出来ますか?

もし出来なければ「言語化」が甘いといえます。つまり、あなたは「何の文献が欲しいのか」が明確になっていない状態ということです。この状態から脱するために、言語化を試みましょう!

言語化のコツは以下の通りです。

コツ1:紙に書く

ノートでも何でもいいのですが、『とにかく書いてみること』が最良の手段です。

「思考は言語化することで、初めて認識できるようになる」といわれています。それくらい、「紙に書く」という行為は、知的作業において大切です。

今すぐノートとペンを用意しましょう。

コツ2パソコン・スマホ入力

紙より綺麗にまとめられます。

表とかにして、「手に入れたい文献の言語化」を羅列してみるのも良いと思います。(見つかった文献も表にまとめるようにすれば、さらに思考が整理されるかもしれませんね👍)

コツ3:単語は少なく短文で

単語数や文字数はなるべく少ない方がいいです。

あまり多いと「言語化が曖昧」になり、検索で絞りきれず、欲しい文献が見つかりづらくなります。また、主語と述語まで明確にしましょう。そこまで言語化します。
《例》「猫のオキシトシン濃度の平均値は〇〇だ」「人から〇〇されると、猫のオキシトシンが増加する」

視点②「 検索方法」を工夫

言語化が出来たら、いよいよ検索です。検索ツールの使用方法は、「Google  検索 コツ」とかでググれば色んなブログで紹介されてますので、自分でググってみてください。

その中で、私が重宝しているのは2点だけです。

コツ1:日付並び替え

ただの検索だと、「関連記事」順に結果が出てきます。

しかし、学術文献は新しいものの方が価値が高いです。「日付順」にしたり、「2017年以上」のようにフィルターをかけるなどの工夫をして、効率的に探しましょう!

コツ2:完全一致検索

この検索が1番のコツです。ダブルクォーテーション(” “を使うことで、” “の間の『検索文章』と完全に一致している記事のみ」が結果として出てきます。

この方法、なんでオススメかというと、視点①でシッカリ言語化が出来ていれば『欲しい文章』が間違いなく手に入るからです。私はこの検索を駆使して、自分が欲しい文献を探すことが多いですね。

ただ、ヒットしない場合には、文章表現を調整しながら、何度も検索していく必要があります。

例えば、「”猫のオキシトシン濃度の平均値は”」と言う検索をした場合、「猫」を「ねこ」に変えたり、「は」を「が」に変えたりなどの微調整をする必要があるため、そこは少し手間です。

そのため、【視点①言語化】では、あまり長い文章を作らない方が無難です。キーワード数は2つくらいにするのが良いと思います。

視点③ 「抽象化と具象化」を活用

視点①からの②を、まずやってみてください。で、見つからなかったとします。

見つからない原因の多くは、視点①の言語化にあります。つまり、「言語化の内容が誤っている」ということです。ここをどうにかする必要があります。
つまり、「新しい切り口の言語化」をする必要があるということです。
そこで、「抽象化と具象化」を使ってみます。
以下、例として「猫のオキシトシンの平均は〇〇である」という文献が欲しかったと仮定します。
パターンは2です。

パターン1:部分抽象(カテゴリー)→具象

抽象化

猫は「哺乳類」「猫科の動物」「愛玩動物」の一種です。

オキシトシンは「ペプチドホルモン」「生理活性物質」の一つです。
このように、単語のカテゴリーを1・2個上の階層にすることが「抽象化」です。
こうすることで例えば、「猫のオキシトシンの平均は〇〇である」という文章が、「愛玩動物の生理活性物質の平均は〇〇である」に変わり、これまでと違った切り口で検索ができます。

具象化

例えば「愛玩動物」には、猫以外にも犬、兎、鳥などが挙げられます。また、「生理活性物質」は、オキシトシン以外にもコルチゾール、アミラーゼなどなど多数存在します。

つまり、上記で抽象化した「愛玩動物の生理活性物質平均は〇〇である」という文章が、「イヌのコルチゾールの平均は〇〇である」に変わります。

もちろん、この文章では、自分が欲しかった文献は「直接的には」見つからないかもしれません。ただ、関連性の高い論文は見つかります。もしかしたら、その中に「あなたがほしい文献」が隠れている可能性は十分にあります。

パターン2全体抽象(目的)→具象

抽象化

ここは難しいですが、一番価値があります。序論や考察立案でも必要な思考です。言語化した文章、それ全体を抽象化します。例えば、「猫のオキシトシンの平均は〇〇である」は、「なぜ知りたい」のでしょうか?「目的」は何ですか?

オキシトシンは愛着形成に関わるホルモンであるため、「猫は人と愛着関係を結ぶのか?」を知りたいのかもしれません。また、オキシトシンは多様な健康効果をもつ物質であるため、「猫の健康状態を評価する指標は何か?」が知りたいのかもしれません。
このように抽象化していくことで、新しい検索の切り口が見えてきます。

具象化

「猫の健康状態を評価する指標は何か?」という全体抽象した文章を眺めます。健康状態を左右するのは、オキシトシンだけでしょうか?そんなことはありません。コルチゾールのようなストレスホルモン、心拍数などの生理的指標もあります。動物であれば、ボディランゲージなども重要な評価になりえます。

そうやって思考を広めていくと、「猫の心拍数の平均は〇〇である」という新しい文章が生まれます。

ボキャブラリーと組み合わせが大切

上記の抽象と具象で出てきた単語を組み合わせて、また視点②に戻り検索をします。見つからなければ、また具体と抽象を繰り返し、あたらしい文章を作り、検索する・・これの繰り返しです。

なお、「犬や猫」に関する研究の9割以上は「英語」で書かれた論文です。上記の抽象と具象を、英語で行っていきます。難易度は高いですが、勉強だと思ってやってみましょう!

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