2019年度は、大きく3つ力を入れていることがありました。
① 生活習慣の改善
これは、まあ、50点くらいの出来だったかなと思います。体重は結構減ってキープできたのは良い感じでした。ただ、その他の習慣化はまだまだ薄いです。生活習慣の改善の仕方や理論自体は分かってきたので、来年度も引き続き頑張ります。
② (英語) 論文の執筆能力の向上
これはまあ、30点くらい、、(笑)。かなり能力は向上したと思います。が、肝心の成果が、今年度は間に合いませんでした、、。まあ、1周の経験は出来たので、来年度はアウトプット重視でガンバリマス。
そして、
③ 後輩指導
でした。
この記事では、2019年度の後輩指導をふりかえりつつ、2020年度に向けた抱負的な意気込みについて書きました。
~~(=^・・^=)~~
後輩を指導する、というタスクの取り組みの変遷
大学4年生~研究生 時代
私の後輩指導の歴は、当たり前ですが学部4年生の時から始まります。このころは当然、指導のイロハはもちろん、指導をすることによる自分にとってのメリットは享受していませんでした。
少し風向きが変わったのは、半年で新卒入社した会社を辞め、半年間の研究生として大学に戻ってきたときです。
ちょうどこの頃に、私の先生から
”これから大学院生になっていくにあたって、後輩の指導をしていくことが義務になります。しっかり、その役目を果たしなさい。”
と話をしてもらいました。
もちろん、後輩指導に力を入れることに否定的な感情はありませんでした。
しかし正直なところ、「なぜ指導をしなければいけないのか」という本質の部分はポッカリ抜けていました。
『まあ、院生は学部生を指導する、そういうもんなんだろうな~』と思っていました。
修士 時代
半年間の研究生期間が終わり、私は修士課程の大学院生となりました。
修士1年生の頃は、「大学院の授業」「TAの実習」「自分自身の実験」「大学院セミナー」で、本当にてんやわんやでした。
正直、この時期に学部4年生であった9期生の子たちに対して、指導をした記憶や実感は全く残っていません。
(記録する習慣もまだなかったので、そーゆー意味でも記憶にないんですね)
ただ、「指導をすることの難しさ」をシンプルに感じていたのだけは覚えています。
当然ですが、修士1年生なぞ、学部生に指導できるほどの知識も経験もありません。
質問やヘルプを求められても、指導というよりかは一緒にウンウン悩む、みたいな状態だったと思います (笑)。
回答を考えて提示するまでに、ものすごい労力を使った記憶があります。
そして、修士2年生になった頃に、薄っすらとあることを考えるようになりました。それは、「後輩指導をするのは自分のためなんだ」という意識でした。
この頃、私は偉そうにも、学部生に不平不満の念を持つことがありました。
『なんでもっと相談してくれないんだ』
『どうしてそんな態度なんだ』
『私の言ったとおりに、なんでやってくれないんだ』
このような思考は、明らかに「後輩指導は彼ら自身のために行っていること」という認識によってもたらされていました。
これはいかんと思い、修士2年の頃から指導におけるスタンス、というものを少し変え、後輩指導のベクトルを自分に向けるようにしました。
「自分の利益を第一に考え、行動すること」
この意識を持つようにすると、後輩に対して過剰な期待、過度な要求をしなくなり、精神的に安定出来ることが分かってきました。
また、だんだんと知識と経験が身についていったので、指導におけるやり取りにも余裕が出てきました。
それにともない、学部3年生にも目を向けられるようになり、実験機器や手法に関する講習会なども開けるようになりました。
「指導履歴」も記帳をするようになり、指導の質も少しづつですが上がっていったように感じます。
そして、修士論文を無事執筆し、博士課程に進学していきました。
博士時代
「後輩指導を自分のために」という意識を持つようになったものの、やはりどうしても、「後輩たちのため」という意識を切りきれませんでした。
それは、承認欲求の強い『自我』資質をもつ私特有のものなのだと感じます。
博士課程に上がったことで、自分の研究能力をより向上させる必要性も出てきたことで、明らかに現在の活動のままでは「自分の研究」「後輩指導」どちらも中途半端になってしまう気がしました。
そこで私は、2019年度を迎えた時、ある決意をしました。
『模擬』ゼミを開催してみよう!
2019年度の指導内容
なぜ『模擬』ゼミを開催したのか?
後輩指導は、私の想定以上に「時間的リソース」を食うものでした。
文章の添削1つをとっても、知識と経験の薄い私では、とにかく時間がかかります。部分的な序論や考察を添削するだけで、2, 3時間かけることもザラでした。
このままでは「自分の研究活動」が「後輩指導」でつぶれると思いました。
これを対策するには、この「後輩指導」にかける投下時間を短縮する必要がありました。では、短縮するためにどうすればよいかと考え、
① 自分の指導能力を底上げする
② 投下時間をコントロールする
この2点に取り組むべきだと思いました。
そして、この2点を解消するために、私は『ゼミ』を開催することに決めました。
私のゼミでやることは2つで、「個人ゼミ」と「全体ゼミ」でした。
「個人ゼミ」では、定期的 (週に1回~3か月に1回と、各自自由) に30分ほど、私と一対一で進捗報告会議を行いました。
「全体ゼミ」では、毎週木曜に、1時間半ほど講習会を実施しました。実験機器の解析、考察思案、統計解析などなど、講習の内容は多岐にわたります。
これを開催することで得られるメリットは、多岐にわたります。
「個人ゼミによるメリット」
学生と密にやり取りできるので、
・速やかな問題解決が提案できる (時間の短縮)
・指導のタイミングや時間をコントロールできる (時間の短縮)
・論文の細部分まで深く理解でき、進捗状況の把握ができ、質の高いアウトプットができる(指導能力の向上)
「全体ゼミのメリット」
複数人に同時に指導が出来るので、
・重複した指導の回数が減る (時間の短縮)
個人ゼミにおいて、
・提示される問題数そのものが減る (時間の短縮)
・質の低い基本的な問題が減り、質の高い問題に取り組める (指導能力の向上)
上記のメリットを得ることで、
① 自分の指導能力を底上げする
② 投下時間をコントロールする
をすることができ、結果的に「後輩指導」にかける投下時間を短縮することができました。
ゼミの振り返り (感想と所感)
ホントに、ゼミを開催してよかったな~と思います。
指導の時間を平日の午後に集中することで時間管理も上手くできましたし。
そして何より、死ぬほど指導能力が上がりました。
ここ2年は「後輩指導を自分のために」という意識を持って活動してきましたが、この意識になってから「後輩指導がいかに自分の利益に大きく貢献するか」を、日々、強く実感してきました。
研究生・修士1年次生の時には認識できていなかった「後輩指導をすることの本質的な意義」を、特に2019年度で強烈に理解することが出来ました。
学部生指導によって院生が享受できる恩恵
・自分自身の研究の、プレ実験的として捉えることができる (仮説検証サイクルを1つ積める)
・関連研究領域の知識拡張と、長期記憶へのきっかけづくりになる (知識の底上げ)
・ (大学教員における) 後輩指導と管理の模擬練習になる (将来への投資)
・感謝されるし、社会的欲求も満たされる (生活のQOL向上や精神安定作用がある)
・後輩指導の時間を確保するために、逆に、自分の研究に短い締切を設けられる (自身のタスク管理の練習)
挙げだせば、枚挙にいとまがありません。
また、特に「考察講習会」は自分の力になりました。
同時期に作成していた英語論文でも、考察執筆が圧倒的に難しく、論理的な文章構築にすごく苦労しました。
後輩指導として考察の書き方を思考し、論理的に教えるために体系的にまとめる作業をしたことで、考察の書き方を固めることが出来ました。
本当に、ゼミやってよかった~と思いました。
ただ、反省点も大いにありました。
ゼミの振り返り (アンケートの結果)
今年度、私のゼミは8月から活動を始め、18名もの4年生が参加してくれました。
かなり大人数が参加してくれて、うれしい限りです。
卒論の作成が終わった時期を見計い、その子たちに「ゼミに関するアンケート」を配布し、回答してもらいました。
13名から返答をもらえたので、少しかいつまんで紹介したいと思います。
選択式質問のフィードバック
「どのツールが理解しやすかった?」
→ マインドマップの方がパワポより良いんだね!以外!理解しやすいってことは、武器として授けられたら強いかな。マインドマップの作り方も講習した方がいいかな。難しいけど、、
「相槌、合いの手、話を聞く姿勢や態度などは心地よいものでしたか?」8.54点 / 10点満点
「あなたの質問や疑問に対して、的を得た回答は出来ていましたか?」8.69点 / 10点満点
→ここらの質問で、この点数は良くないね、、。次年度は頑張ります。
「依頼したことのフィードバックが遅かったり、忘れられたりしたことはありましたか?」
→ これは、ほんと初期の時から反省してます、、。気を付けてはいるんですけど、、。精進します。
「まだ聞きたいことがあったが、遠慮して聞くのを控えたことがありましたか?」
→ 他のアンケートでも、「時間の余裕がなさそう」に見えるという回答がありました。内面の動きが、どうしても顔に出やすいんですよね、、。もう少しポーカーフェイスになれるといいかな。動きとか姿勢をゆったりさせて、余裕のある感じを出した方がいいかな。
「私、なんかクセあった?」 頭を触る・掻く、”いまいま”っていいがち
→ 頭触るのね~(笑)。言われるまで全く気づかなかったけど、そういわれると確かにめっちゃ触るなぁ(笑)。
自由記述式質問のフィードバック
・個人ゼミの日程を、全体向けに可視化したほうがいい
→ これは、確かにやった方がいいかも!私の予定も、可能な限り可視化できると、時間管理が逆に自制されるかな。Google calendarなどで今年度チャレンジしようと思います。
・ピロティだとWifi環境が悪いね
→ ホント、そこは対応悪かったね、、。ただ対策むずいな。オフラインをメインに据えるか、確実にオンラインに出来る環境づくりか、、。考えます。
・講習の内容 (レジュメ) を事前に連絡してほしい
→ 確かに!今後はブログでまとめておくか、マインドマップを提示しておこうかな。
・個人ゼミの時間が後ろ倒しになることがあった
→ これも、ホントに申し訳なかった、、。個人ゼミ自体のコントロールが弱かったんだよね、、。相談時間内で結論を出しきれない部分が出ると、どうしてもね、、。あとは、ゼミ外の人の対応が難しかったなぁ。無下にはもちろんできないんだけど、しっかり断るべき部分はやらないとね、、。一番反省した部分です。
総合評価
「自身の卒論に自分で点数をつけるとしたら?」78点 / 100点満点
→ あと22点上げられるように、2020年度は頑張ります!!
「ゼミに入ってよかったと思いますか?」10点 / 10点満点
→ ありがとうございます (泣)
このほかにも、ホントにホントにたくさんフィードバックをもらえました。
本当に感謝です、ありがとう、、!
2020度の指導の目標と取り組み
上記の振り返りを踏まえた上で、今年度はどのような指導をしていこうか、を少し考えてみました。
私と後輩、それぞれの目標を明確にしておく
2019年度ゼミは、目標の不明瞭化が一番惜しまれる部分でした。
後輩ちゃん達が、「そもそも、どの水準の卒論を目指しているのか」をヒアリングしていませんでした。また、「卒論以外で大きなリソースを割きたい部分」も把握できていませんでした。
指導方法や指針にも関わる部分なので、ゼミの効果に影響してくると予想できます。そして何より、ゼミが終わった時の最後の効果測定 (上記のアンケートなど) がしっかりできませんでした。
今年度は、しっかりとその部分をヒアリングしておこうと思います。
また私自身も、「院進する学生を3人作る~」「卒論指導マニュアル書をつくる~ (パワポ・エクセル・マインドマップetc) 」みたいな (適当な) ことを思っていたものの、具体的に言語化はしてませんでした。
同上の理由で、しっかり言語化しようと思います。
自走型指導に、とにかく重点を置く
今年のゼミは、4月から活動をスタ-トします。その分、去年度よりも双方の利益が大きくなるのかなと思います。
ただ、人数が2019年度よりも多くなっており、これまでと同じやり方では回らない気もしています。
そこで、今年の合言葉は『自走』にします。
「とにかく自走させる」、ための、仕組みづくりに邁進したいと思います。
どうしても、
①「後輩からの問題提示」→②「私の指導」→③「後輩の自走」
では、1歩おそくなります。
①「後輩からの問題提示」
を未然に防ぐ、もしくは、自力で解決できるように、武器の受け渡し部分の強化をする必要があると言えます。
受け渡し方法というのは、すなわち「講習会」や「Trelloなどのタスク管理手法」になるの思います。
より高いアウトプットができるようにしたいと思います。
また、マインドマップの使い方とか、ググり力強化とか、まだまだ自走させる武器は他にもあると思います。 (まだ見つかってませんが)
色んな講習を考えて、手札を増やしていきたいなと思います。
とらわれない、多様な指導方法を
来週から本格的な12期生ゼミを始めますが、コロナの影響で全く身動きが取れない状態です。そこで、「オンライン個人ゼミ」「オンライン講習会」をやってみようと思っています。
私も外部実験がうまく増えていけば、学校に立ち寄れなくなる日数が増える可能性があります。そんな時に、オンライン上の指導も手法の一つとして確立しておくと、非常に汎用性が高いなと感じています。
とまあ、これは緊急時による、臨時的措置の産物です。
もっともっと能動的に、新しい指導方法がないかな~と探してます。
いま一番思い浮かんでいるのは、このブログです。
そもそも、ブログ記事として質の高い講習会の内容を書いていれば、わざわざ私が話す手間は省けます。それはすなわち、自走につながります。
もちろん、いまいまの私の実力では、面と向かっての講習会によるフィードバックをもらわないとやっていけません。しかし、部分的な指導内容であれば、今からでも記事に上げれます。
全ては無理でも、長期的な視点で、ゆくゆくは「卒論対策ブログ」みたいに仕上げていければいいな、と思います。
また、「コンサルのような役割」も、効率的だなーと思います。
つまり、
”○○の△△部分で止まってます”
と言われたら、
”この記事の、この部分見てみて”
”この書籍は参考になるよ”
”この文献の、序論読んでごらん”
とかとか、とにかくこの『一歩目』のみを、すぐに適切に提示できるような存在は強いですよね。いわゆるペッパー君?みたいな。
もちろん、そのためには自分自身の知識データベースをまず拡張する必要があります。
すなわち、これも長期的な思案です。
ただ、部分的には今から実装可能だと思います。
とりくんでみようと思います。
~~(=^・・^=)~~
後輩指導はホントに楽しい活動でした。
ゼミは、承認欲求を満たせる (私にとって唯一の) 場と言えるもので、精神安定以外の何物でもありませんでした。
私は気質的に、非常に他者への影響性を望む人です。他者とコミットメントした仕事なら、寝ないで夢中でできるタイプだと思います。
『ストレングス・ファインダーで自分自身を知ろう!|自分の強みTOP5を実生活にどう活かすか?について考えてみました』
nekorandum.info/2020/03/24/pos
だからこそ、この性格は、後輩指導が必要な私にとって幸せな資質なのだなぁと思います。
指導するためにたくさん思考して、たくさん吸収して、それが結果的に自分の研究活動の土台になって、なんなら自分の研究のデータ (業績) の一部にもなって、、
こんなに楽しくて効率的な活動は、他にないと思います。
ゼミに参加してくれた皆さん、本当にありがとうございました。
コロナ騒ぎで暗いニュースが続きますが、4月以降も明るく生産性のある日々を送っていただけることを、心より祈っております。
落ち着いたら、研究室に遊びに来てね~~~~(=^・・^=)