輪読会レポート|2019年11月13日 ①|馬の社会的学習・自閉症児の感情面と生理面の関係性・ウサギの認知能力

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本日の輪読会は5題でした。

題目数多いんで、2回に分けてあげます。

まずは1~3題目です。

 

~~(=^・・^=)~~

題目1「Social learning across species: horses (Equus caballus) learn from humans by observation」
種間の社会的学習: 観察により、馬は人から学ぶ

Aurelia Schuetz, Kate Farmer, Konstanze Krueger

Anim Cogn (2017) 20:567–573

目的:

馬は人の動きを観察することにより、学習することができるのかを調査すること。

方法:

24頭の馬が参加し、
実験群: 人が給餌装置を空ける行動を見せる
対照群:  見せない
に分け、馬の学習に違いが出るかを調査した。

結果:

実験群の8頭の馬が、学習基準に達した。

一方で、対照群ではわずか2頭だった。

虎太郎所感:

馬が、人の動きを観察し、それに基づいて自身の行動を変化させることが明瞭に分かる結果となりました。

多種の生き物の動きから、自身の動きへと拡張してトレースする感じ、すごいですね、、。

 

 

題目2「Concordance between physiological arousal and emotion expression during fear in young children with autism spectrum disorders」
自閉症スペクトラム障害の子供の恐怖状態における、生理学的覚醒と感情表現の間の一致

Gemma Zantinge, Sophie van Rijn, Lex Stockmann and Hanna Swaab

Autism 2019, Vol. 23(3) 629–638

目的:

健常児とASD児の、恐怖に対する生理学的覚醒と感情表現を比較すること。

方法:

ASD児21人と、健常児45人を対象とした。

Laboratory Temperament Assessment Battery (Lab-TAB; Goldsmith et al., 1999) という機械を用いて恐怖感情は評価された。また、恐怖感情の誘発には、騒音を発したり動いたりする遠隔操作ロボットを用いた。

生理面は、心拍数が測定された。

結果:

どちらの群も、恐怖感情の増加、心拍数の増加が見られた。

一方で、恐怖感情と心拍数に有意な相関関係が見られたのは、健常児のみであった。

虎太郎所感:

自律神経を見ていないのは、やはり子供では難しいからなのでしょうか。

なんにせよ、明瞭な結果が出たように思えます。
このような、心理と生理の齟齬が、彼らの社会的行動にも負の影響を及ぼしているのでしょうか。

 

 

題目3「Behavioral testing and litter effects in the rabbit」
ウサギの行動試験と同腹効果

HG. Gümüşa , A.A. Agyemangb , O. Romantsikb , R. Sandgrenc , H. Karlssonb , M. Gramb , S. Valliusb , D. Leyb , D.L.A. van den Hoved, 1 , M. Bruschettinib,

Behav Brain Res. 2018 Nov 1;353:236-241

目的:

ウサギの認知および不安に関連した行動を、詳細に調べること。

方法:

ウサギは、大きいウサギと小さいウサギのペア、それぞれで同腹仔を形成しており、合計21匹が使用された。

ウサギは40㎝の透明なプラスチックで正方形に仕切られた空間に、ゲージに入った状態でまず置かれ、扉を開けて試験が開始します。

試験内容は以下のようなもので、
「オープンフィールドテスト」: 仕切り内での移動時間や滞在場所などを計測する
「暗箱テスト」: 仕切り内に、黒いボックスが用意され、そこに逃げ込む時間などを計測する
「物体認識テスト」: 仕切り内に、ペットボトルやダンベルなど、4種類の物体を置いておき、反応を観察する
「物体位置テスト」: 仕切り内に置かれた物体の、位置を変え、探索行動などの変化を観察する
「嗅覚物体認識テスト」: オレンジまたはリンゴの匂いのあるゲージに入れられ、匂いを認識させ、その後のテスト時に、そのゲージを仕切り内に置いき、反応を観察する
などが実施された。

結果:

ウサギには、物体認知記憶の能力があることが示された。

また、小さいサイズと大きいサイズのウサギの同腹仔たちには、結果に大きな違いが見られた。つ

虎太郎所感:

なんだか、とっても難しい研究内容でした、、。分野が違いすぎたので。

ウサギとヒトの脳には類似性が、、のような記述があるので、人の疾患モデルとしてウサギを利用することが最終的な研究目的ですかね。

ウサギのウェルフェア向上~みたいな研究にもつながるとは思いますが、本質はそこじゃないんですね。

ウサギさん~

~~(=^・・^=)~~

 

前回、輪読会の題目発表予定者が誰も準備できていない、という前代未聞 (?たぶん) の事件が発生したため、久しぶりの輪読会でした。

学部生が論文を読むのは非常に大変なので、なかなか苦しい作業のように思います。

ただ、出来ないことではありません。

工夫して、やり切りましょう。

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