自分の話
大学生の頃は、よく小説を読んでいました。
しかし最近は、研究にかかわる本や論文ばかりを読んでおり、全く小説にはふれていませんでした。
小説は『語彙力の向上』とか『発想力の要素』の手助けになり、さらには『ストレスの低減』、なにより娯楽として価値が高いものです。
”よし!また小説よみ始めよう!”
と一念発起し、家にある積み本のなかから1冊を手に取り、学校帰りの電車の中でちまちま読んでいました。
やっぱり、小説は良いですね~
私は読むのが遅いので (「ページ数 ≒ 読む時間(分)」とか)、じっくりゆっくり読んでいくタイプです。
そのスタンスは、論文などを読む時とは全く違う時間感覚になるので、ストレスフリーな感じがして、なんかいいですね。
読んだ本の話
今回手に取った本は、有川浩さんの「植物図鑑」でした。
植物図鑑 (幻冬舎文庫) 有川浩
☞Amazonページ
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映画などにもなり、さんざ話題になった本です。
今更かい、って感じですね。
まず感想なんですが、『恋愛描写が、なんか気恥ずかしくて、ぅあああぁ!ってなる』って感じでした。
いや、いい意味で。
私はミステリ小説が好きなので、基本はそっち系の本しか読みません。
恋愛小説は、もしかしたら初めて読んだかもしれないくらいです。
恋愛小説ってどれもこんな感じなのでしょうか (笑)。
この本は、OLの「さやか」が、食べるものがなく行き倒れたイケメン青年「いつき」を拾ったことから始まるラブストーリーを描いています。
植物オタクであるいつきは、本書の各話で「雑草をつかった料理」を作ります。
これが、本のタイトルの所以ですね。
料理をほとんどしない私でも、”作れるかな”と思うほど、詳細に調理の過程が書かれており、本の巻末にはレシピも記載されています。
「雑草という名前の草はない」というキーワードをもとに、彼らは、我々のみじかに生えている植物を見事に調理し、おいしそうに食します。
この「みじかにあるもの」というのが、この本のキーワードになるのかなと思いました。
この本では、「みじかに生えている草」を大切にし、慈しみ、「しっかりと向き合う」ことの大切さを説きます。
そして、この「みじかにあるもの」を、『家族』『友人』そして『恋人』に転換していきます。
「みじかである」からこそ悩むし、つらいし、逃げたくなる時があります。
本書は、このアンビバレントな状態を丁寧に描写し、「みじかなものに真正面から向き合う勇気」をくれる一冊かなと思いました。
面白かったです。
『全国読書マラソン・コメント大賞』への掲載予定文章(推敲中)
目まぐるしく情報が往来する現代では、『みじかな幸せ』に目を向ける時間すら惜しまれる。OLのさやかも、その1人だった。
ある日さやかは、行き倒れていた好青年いつきを『拾った』。いつきが作る『みじかな雑草』を使った料理は、さやかの胃袋と恋心をつかんだだけではなく、忘れかけていた『いただきます』という言葉を思い出させた。
『みじかな幸せ』を感じるためには、『その対象とひたすら向き合うこと』が必要。けれどもそれは、時に目をそむけたくなるくらい辛いことでもある。
さやかといつきの関係も、同じだった。
大切なものと向き合う勇気をくれる、そんな本です。
『全国読書マラソン・コメント大賞』とは??
☞ 全国大学生活協同組合連合会 HP
https://www.univcoop.or.jp/news_2/news_detail_1477.html