餌を食べる時にヒゲが邪魔!?|「ヒゲに優しいエサ皿」を使うことで、猫のストレスは改善されるか?

猫のひげは重要な感覚器官であり、猫の生活には欠かせないものです。
 
われわれ猫好きからすると、いろんな方向に揺り動くヒゲは猫のかわいさを引き立たせる要素であるといえます。
部屋に落ちていたら『良く分からないけど何らかの記念』として取って置く人もいるくらい、不思議な魅力に溢れた物質です。(私も保管したりします)
 
そんなヒゲが、猫のストレスを和らげるための重要な要素になるかもしれない、そんなことに着目した研究が行われました。
 
この記事では、「『ヒゲが当たりづらい (ヒゲに優しい) エサ皿』を使うことで、猫はご飯をたくさん食べるようになるか?」を検証した研究を紹介します。
 
 
 

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猫のYouTube動画は研究データになりえる?|新しい研究のカタチ

猫好きの皆さんは、今日もYouTubeで猫の動画をみているのではないでしょうか?
 
昨今のSNSの普及は、一般の人も気軽に動画を投稿することを可能にし、それを誰でも閲覧することを可能にしました。
われわれ猫好きにとって、たくさんの猫動画を自由に見れる現代は、幸せの極みかと思います。
 
そんな「猫動画」が、研究の重要なデータになり得る、と聞いたら驚くでしょうか?
 
この記事では、猫のYoutube動画を研究活動に活用することができる可能性を検証した論文を紹介します。
 
 
 

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犬猫のダイエット大作戦|肥満のリスクとその対策方法

みなさんが飼っているペットは、健康ですか?
適正体重を維持できてますか?
 
人と同様にペットも、「肥満」は健康を害する疾患の一つです。
 
ペットの食事管理はすべて飼い犬がコントロールしているため、飼い主がペットの体重管理をすることは義務であると言えます。
 
この記事では、ペットが肥満になったときの「ダイエットの流れ」「大事なポイント」を解説した、海外の記事を紹介します。
 
 
 

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Google Forms (グーグル フォーム) ってなんだ?使い方は?なんで便利?|オンラインでのアンケート調査で必須のソフト

研究活動において、「アンケート」は欠かせない存在です。

アンケート自体がメインの「調査系の研究」以外であっても、例えば実験の前後で被験者に「アンケート」を取ることは必須の作業であるといえます。

そういった「アンケート」の結果が、実験で得られた結果を大きく左右する可能性は十分に考えられるからです。

 

しかし、「アンケート調査」には、「作成にかける労力」「集計や解析の労力」が大きいという悩ましい課題点も存在します。

 

この記事では、「アンケート調査」の課題点を克服し、その作業を楽にするソフト「Google Forms (グーグル フォーム)」の「便利さ」「使い方」を紹介します。

 


 

Google Formsの利点の説明

だれでも

Google Formsとは、グーグルが提供している「オンライン上のアンケート調査ソフトウェア」です。

グーグルのアカウントを持っている人なら、だれでも作成が可能です。

「質問の内容」「質問の回答の仕方」を自分で入力し設定すれば、もう完成です。
即、アンケートの実施と収集、解析が可能になります。

オンラインなので紙に出力する手間や郵送する手間配って回収してという作業コストもかかりません。

そしてなんといっても、無料で利用できます。

 

いつでも・どこでも・だれにでも

アンケートがメインの調査系研究で肝になるのは、なんといっても「サンプル数」です。

「紙」などの調査と比較し、オンライン調査では多くの人数に回答を依頼することが可能になります。

さらに、このGoogle Formsは、「配布の仕方」が非常に簡単なのも特徴です。

メールで送ったり、URLをコピペしてLINEやSNSで拡散したり、HTMLへの埋め込みでブログで表示ことも出来ます。

 

 

沖縄から北海道まで、どんな場所にいる人にも、どんな時間帯の時でも、会ったことのないようなどんな人でも、回答を依頼することが可能です。

「サンプル数を増やす」には、もってこいのソフトです。

 

研究の内容、アンケートの種類などによっては、『時系列的』『環境的』な『回答のタイミング』が結果を左右する場合があります。

その場合は、「アンケートの配布」や「回答の受付の有無」をコントロールして、正しい結果を得られるような工夫が必要です。

 

多様な分野の研究で実際に活用されている

実際に、Google Formsは多くの研究で活用されています。

人と動物の関係学に関する研究でも、それは同じです。

 

My Dog Is Not My Cat: Owner Perception of the Personalities of Dogs and Cats Living in the Same Household
猫と犬の性格に対する飼い主の認識の調査

The Values and Beliefs Regarding Pet Ownership Around Trelissick Park in Wellington, New Zealand
犬猫の野生動物への影響を調査した研究

 

多くの研究者が、このソフトの有用性を実感していることがわかります。

 

Google Formsでのアンケート作成の手順

1.どんな質問内容にするかを、他ソフトでまとめる

いきなりGoogle Formsをいじらないこと

これ、けっこう重要です。

私は以前アンケートを作る際、「最初からGoogle Forms上で」作りはじめました。
これすると、めちゃくちゃ『出戻り』が発生します。

”ここのカテゴリーの回答方法、ぜんぶ変えることになった、、”
”複数の質問でつかってた単語表現、一個一個変えなきゃいけなくなった、、” 

といった感じで、改変やミスが起きたときの『修正作業』に関しては、Google Formsは効率がとても悪かったです。

私も今後は、Google Formsにいきなり作業することはやめ、Excelマインドマップでまとめるようにしようと思いました。
みなさんもぜひそうしてみてください。

質問は「カテゴリー」ごとに分類して整理する

質問項目を考えていると、あれもこれもとアイデアが浮かんできます。

思考段階なら、いくらでもアイデアを広げて質問は作るべきですが、丁寧にまとめないと収拾がつかなくなります

Excelなら、「質問カテゴリーごとにSheetを分けて整理する」と、思考がまとまりやすいと思います。

2.どんな回答方法にするか?

ここも、さきにGoogle Formsをいじり始めないこと

質問ごとの回答方法を考える段階も、事前にExcelなどで考えておいた方が良いです。

やはり出戻りが発生したときに、すごく手間です。

 

回答方法の種類を知ろう

Google Formsの回答方法の種類は以下の通りです。

 

 

私なりに、どの回答方法を使うべきかを考える際の、思考フローを作ってみました。

 

 

 

左側の「記述式」「チェックボックス式」は、わかりやすいと思います。

また、おそらく研究で一番使うのは「選択式 (グリッド)」「均等目盛」かなと思います。
メリット・デメリットを整理して決定しましょう。

 

 

また、Google Formsは、「回答の仕方に応じて、質問内容を変化させる」ことが出来ます。
つまり、「Aと答えた人には、この質問を」「Bと答えた人には、この質問を」のように変化させることが出来ます。
これも、Google Formsの特徴の1つです。

このような質問の分岐を使用するには、「プルダウン」「ラジオボタン」という回答方法を用いる必要があります。

 

 

この分岐については、後述します。

 

3.いよいよ、Google Forms をいじってみよう!

Googleのアカウントを持っている人なら誰でも使用可能

グーグルを開いて、「Google Drive」から、新規作成ができます。

 

 

セクションという概念を覚えよう

フォームは、「セクション」「質問」に概念が分かれています。
セクションの中に、(複数の) 質問が入っているイメージですね。
「セクション」も「質問」も、右側のバーから作成することが出来ます。

 

 

このセクションとは、「回答者が回答する時に現れる『画面』の1つ1つに相当する」と思ってください。
つまり、セクションを5つ作ったら、被験者は回答時に、画面を5回移りながら質問に回答していくことになります。

なぜそんな複雑な?と思うかもしれません。
理由は複数ありますが、その1つに、先ほど触れた「選択肢による分岐」があります。

詳しく言うと、「Aと回答した人には『このセクション』の質問を」「Bと回答した人には『このセクション』を」、といった感じで、回答結果に応じてセクションを変えることが可能です。

例えば、「猫派と犬派」のそれぞれに異なる質問群を投げかけたい場合、「猫派用の質問セクション」「犬派用の質問セクション」を作っておき、分岐しておくと便利です。

 

 

この分岐機能を活用することで、研究者の解析の簡易さ、さらには回答者の回答工数の削減など、多くのメリットがあります。

 

その他の便利機能

質問の回答漏れを防ぐ「必須」ボタン

「質問の一部回答漏れ」というのは、研究者にとって圧倒的な悲劇です。
オフラインであればその場でダブルチェックをすれば漏れは防げますが、それでもヒューマンエラーは起こりえます。

一方で、Google Formsでは「必須の回答」という機能があります。

 

これにチェックを入れてれば、回答者がこの質問を回答し忘れた時にソフトが感知してそれを回答者に知らせてくれます。

 

 

コピペで作成速度アップ

似たような「セクション」や「質問」は、コピペすればOK
一から作る必要はありません。

 

シャッフル機能

質問によっては、順序効果を考慮する必要があります。

例えば、「りんごが好きですか?」という質問の直後に、「好きな色はなんですか?」と聞かれた場合、『赤のイメージ』を頭に浮かべた状態で回答することになります。これは良いアンケートとは言えません。

これは極端な例ですが、研究におけるアンケートも、場合によっては「質問の順序をランダム」にする必要があります。

Google Formsなら、この操作もボタン一つで可能です。

 

 

Google Formsは、データの解析・集計にも便利

Google Formsの最大の魅力は「データの集計」の簡便さ

アンケート調査を「紙」「インタビュー形式」などで行った場合、それを解析できる形に落とし込むために、パソコンに打ち込む労力が必要になります。

Google Forms最大の特徴の1つは「データの集計」の簡易さです。

 

 

既に「円グラフや」「ヒストグラム」でまとめてくれており、コピペまで楽々。

 

Spread Sheet (スプレッドシート) へ、生データを出力可能

一方で、平均値標準偏差といった「統計量」はさすがに出ません。ので、生データを取りだす必要があります。

Google Formsでは、Spreadsheet (スプレッドシート) というソフトに出力することができます。
SpreadSheetとは、Microsoftが出している「Excel」の、Google版みたいなものです。

データだし方もいたってシンプル。

 

 

ただ、統計ソフトを活用するために、結局はExcelへコピペする必要があります。。

 

Excelへの出力も出来る、、が、、

CSV形式で、生データをExcel形式で取り出すこともできます。
上記の理由からも、こっちのほうが良いように思えるかもしれません。

が、なぜかCSVで出力すると文字化けするので、別の操作工程が必要になり、個人的にはやりづらいと感じています。

Excel形式で出力するよりも、Spreadsheetで出力して、それをコピーして自分でExcelに貼り付けるほうが早いと感じます。

 


 

Google Formsの活用の幅は「研究」だけではありません。

「飲み会の出欠確認」などの対・大人数タスクの管理や、「日記・体重などの管理と確認」などのパーソナルな管理にも活用できるかもしれません。

それが『無料』ときたら、活用しない手はないですね。

みなさんも、幅広い活用の幅がある万能ツール「Google Forms」を使って、卒論を良いものに仕上げていってください。

 

猫は棚が好き?|猫のストレスを軽減して、福祉を向上させましょう

猫は、体の大きさや社会性の高さから、多頭飼育が可能な動物であるといえます。
一方で、完全な集団形成をする動物ではなく、明確な序列も存在していません。
 
多頭で猫を飼育している場合、猫の間での「ケンカ」は頻繁におこります。
 
この記事では、猫が隠れられるような「棚」を設置することで「猫のケンカ」が減るか否かを調べた、環境エンリッチメントに関する研究を紹介します。
 
 

■文献情報

〇題目

Effect of a shelf-furnished screen on space utilisation and social behaviour of indoor group-housed cats (Felis silvestris catus)
 

〇著者

Emma J. Desforges,Alexandra Moesta,Mark J. Farnworth
 

〇雑誌

Applied Animal Behaviour Science 178 (2016) 60–68
 
 

■研究概要 (序論~方法) 

〇背景

 
研究室で飼育されている猫の飼育環境は制限的であり、彼らの福祉に影響を及ぼすかもしれない。
環境エンリッチメントは彼らの福祉をより良くするかもしれないが、その効果に対する信頼性や評価はめったに行われない。
 

〇目的

 
この研究は、集団で飼育されている研究室の猫たちの「敵対的な行動」「親和的な行動」が、「家具 (棚)」の有り無しによって変化するかを調べること。
また、その棚によって出来た「上下空間」の利用の有無についても調査すること。
 

〇被験者情報

 
 
研究室で飼育されている29匹の猫
部屋は4か所あり、それぞれ8,7匹の猫たちが共同生活しており、それぞれの部屋を順々に実験していった。
 

〇評価方法

 
データ採取は「ビデオ」によって行われた。
「棚の空間利用」の割合は、8か所に設置されたビデオから10分ごとに写真が撮られ、そのデータが解析に用いられた。
「敵対的および親和的な行動」の頻度は、1日ごとに30分のエピソードを6回の合計3時間分のデータが、解析に用いられた。
 

〇実験・調査方法

 
 
実験は3つのフェーズに分けられた。
 
通常期間」2日
テスト期間」4日
再通常期間」2日
 
この「テスト期間」の間、猫の飼育部屋に「猫たちが初めてみる家具 (棚)」が設置された。
棚 (IKEA製) は縦横150㎝ずつ、奥行きが40㎝ほどの大きさ。
前面と後面に、猫が休めるような広さの空間が8か所ずつ (合計16か所) 用意された。
 
 

■研究概要 (結果~考察)

〇メインで得られた結果

 
 
全ての期間において、敵対的な行動の発生は、「朝ごはん後」と比較して「朝ごはん前」により多く発生していた。
ただ、「棚の有無」は関係がなかった。
 
また、「朝ごはん後」に発生する敵対的な行動は、「通常期間」よりも「テスト期間」の方が少なかった。
 
「棚」を部屋から無くした際 (つまり「再通常期間」の際)、「通常期間」と比較して、「昼ごはん前」の敵対行動が増加した。
これが生じた理由は、「フラストレーション効果」もしくは「リバウンド効果」であると考えられる。
 

〇面白い・特筆すべき結果

 
親和的行動の発生は、「棚の有り無し」と関係がなかった。
 
一方で、「テスト期間」においては、「地面に体をつけている割合」が少なく「棚の空間利用の割合」が多くなっていた。
 

〇筆者の意見・主張

 
棚を部屋に設置することでできた「垂直方向の空間」は、隠れる機会を猫に提供します。
これは、猫にとって必要な空間である考えられ、それによって敵対的な行動が減ったことが伺える。
 

■感想と転用

〇 エソグラムを使った行動解析

 
エソグラムとは、直訳すると「行動目録」と呼ばれるものです。
これは、「その動物がどのような行動を示した場合に、それを『○○行動』とみなす」といった、いわゆる定義づけのようなものです。
 
この研究では「親和行動」「敵対行動」の2種類を観察しましたが、猫がどんな行動をしたらカウントするのかは、このエソグラムを基にしたようです。
(例) 猫が前脚で他の猫を引っ叩いたら「敵対行動」・しっぽを絡めながら他の猫と横並びで移動すると「親和行動」)
 
面白いですよね~。こうやって行動を細分化して定義づけして評価に用いるんですね。
エソグラム自体は、他の研究論文 を参考にしているようですね。
 
行動的な解析をする際にはすごく参考になる資料です。
 
 

〇 ごはん前の熾烈な争い 笑

 
「朝ごはん前」は「朝ごはん後」よりも敵対行動が多い、というのが面白かったですね笑。
やはり、食料資源を確保するためには、争いは避けて通れないよう、、笑。
 
「朝ごはん前」に関しては棚を置こうが関係無いようでしたが、その他の場面 (昼ごはんなど) では棚は「敵対行動」を減らすのに役立っているようですね。
 
当研究室はまだまだ猫の数が少ないですし、個別の3段ゲージ内で餌をあげているため争いはありません。
ただ、今後ネコの数が増えていったときは、考慮すべきポイントかもしれません。
 
また、多頭飼いのご家庭の方々も、「猫の喧嘩が絶えない」ような場合には、猫専用の棚をふやすのはいかがでしょうか。
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