2019年2月15日、News Picksのイベント「ポスト平成のシン・ニホン」に参加してきました。
安宅さんは名著「イシューからはじめよ」の著者であり、私も本書を読んで非常に勉強させてもらいました。今回はその安宅さんが講演するということで、非常にワクワクしながら参加してきました。
門外漢の私なりに内容を理解し、私の研究分野はこの問題にどう関わっていくべきなのかをまとめてみました。
マインドマップは以下の通りです。
〜〜(=^x^=)〜〜
まず安宅さんがお話しされたのは、
『AIが大きく発展している現代人は、まさに歴史的局面に立ち会えているという幸運を噛みしめるべきだ!!』
ということでした。
我々はまさしく時代の変革期を生きており、その変容を自身の目で見ることができることは非常に幸運なことです!
そして、その変革期において、
日本がいかに他国から遅れをとっているか、
多角的なデータを示しつつ、客観的にみていくことで非常に理解がしやすかったです。
ということを、非常に多角的な側面からデータを引用しつつ、解説されていました。
特に近年は「中国」の台頭が目覚ましく、GDPだけでなく学術論文の数といった側面においては日本は大きく後れを取っているようです。
では、具体的に日本の何が弱みなのかというと、以下の3つであるといいます。
収集力
処理力
出力力
全部じゃん!!って感じですが、、、
バズるようなアプリを多く開発する他国では、それにより多くの顧客データを獲得できます。そしてそのデータをさらにビッグデータとして活用することができます。
Google、Amazon、FacebookやAppleといった企業が特に多くの顧客を獲得し、そこで得たビッグデータを活用することでさらに新しいサービスを開拓し、また顧客を獲得していく、、。
このような小国規模のパワーを持った企業に、現在の社会は牛耳られています。
そして、日本の優秀な人材も海外の優良企業に流れていくことで、ますます日本の力は縮小します。
ほかにも、日本は電気代などのそもそものコストが高いという点でも不利なようです。
ビッグデータを活用する技術もイスラエルや米国に独占され、打つ手がないと、、。
では、日本に明るい未来はないのか、、?
そんなことはないと安宅さんは言います。
まず取り組むべきは
「人材育成」
だといいます。
そもそもの、プログラミングをはじめとするICT教育体制が日本の義務教育において未熟であり、若者で優秀な人材が生まれにくいといいます。
さらには、企業の中間管理職もそのような知識がないため、高い水準の教育を施す人もいません。
また、企業に入社した新入社員には、「統計リテラシー」や「問題解決能力」が低い人が多いといいます。
これは、大学のような「一つの分野に絞った学部制度」のディスアドバンテージであるともいえます。
つまり、日本においては
そもそもの教育体制を変革
も重要な課題であるようです。
また、日本の勝ち筋の一つに、
「夢をカタチにする」 力
にあるといいます。
日本人は、ドラえもんや鉄腕アトムのように
「技術ドリブンではなく、夢や目的ドリブン」
で空想するのが得意です。
このマインドセットは、これからのビジネスにおいても重要なものであるといいます。
また、日本人は
「コピーしアレンジする」能力
が高いようです。
これは、
「アイデアを創出する」能力
ともいえます。
アイデアを生み出すには幅広くダイバーシティの高い知識が必要になります。
つまり、
他分野に精通した人材の育成が必要になり、
100万人に1人の能力を備えた人材よりも、
100人に1人の能力を3つ備えた人材を目指す
ことが重要になり、そのような知識を備えた秀才を作り上げる必要があります。
それには、やはり先ほど述べたように、大学の教育体制も改める必要があるといえます。
そして、天才の存在も忘れてはいけません。
彼らのような一握りの人材を輩出するためには、
広く浅く、型に当てはめてロボットを作るような教育体系から、より自由度が高く
「子供の興味や個性を尊重し伸ばす」教育体制
そして
親のそのようなマインドセット
を作る必要があります。
また、日本でこのような人材が少ない理由として、PhD取得率が低さが大きな課題点だといえます。
日本では大学院生に対しての認識が他国とは異なっています。というのも、そもそも大学院に進学する人のマインドセットが「就職に失敗したから」といった受動的なものであることも問題点です。
そして、そもそも大学院に進学する人が少ない大きな要因として、
- 学費が高い
- 卒業後の職が安定していない
といったものが挙げられます。
日本では学術振興会などの支援はあるものの、ハードルが高く、限られた人間しか支援が受けられません。
また、卒業後の就職先の見通しもなく、取った後の進路も安定していません。
これらの現状から、日本ではPhD取得率が低いのだといいます。
そして、やはりこれらの問題を解決するには、何度も述べているように日本の教育体制を抜本から見直す必要があるといえます。
では、日本ではなぜこのように大学院および卒業後の進路に関連した支援が薄いのかというと、圧迫する「国民医療費」などの問題点が挙げられます。
これらの財政の圧迫が、支援を妨げている原因の一つとして考えられます。
そこでようやく、
われわれ動物介在療法学の分野が関係してきます!!
つまり、動物を飼うことでQOLの向上、そして心理面や生理面、社会面の健康効果増進をもたらすことで、国民の健康寿命を延伸することができます。
さらには、疾患患者の症状を抑えるといった療法を行うことで医療費の削減をもたらし、子供のよりよい発達や発育を補助することもできます。
ひじょうに長い道のりとなりましたが、ようやく我々の分野の話につなげることができました。
最初、安宅さんの話を聞いている限りでは、私(の分野)が力になれることなんてないんだろうなと思っていました。
しかし、最後の最後になって、我々の分野も関わることができるかもしれない、ということがわかりました。
これからの明るい未来の日本築くためには、国民全体のマインドセットをより改革し、国民全員でこの問題に取り組む必要があるといえます。
我々のように、遠く、大した力にはなれない分野の人間でも、少し視点を変えれば貢献できる部分があるのだと思います。
これからも、自分の研究に精進していきたいなと思いました。
虎太郎