自分の話
ミステリー小説が好きです。
私がハマったきっかけの小説は、乾くるみさんの「イニシエーション・ラブ」でした。
たまたまテレビ番組の『しゃべくり7』を見ていた時、くりーむしちゅーの有田さんが紹介していました。
興味がわいたので、次の日にさっそく買いにいって、読みました。
(あの方のべしゃりは、ほんと上手いですね。完璧にプレゼン力にやられました。)
薄い本だったので1日で読めたのですが、いやー、あの衝撃は今でも忘れられないですね。
本の最後から2行目を読んだとき、度肝を抜かれるんですよ。
興奮しながら読み返して伏線を拾って、それでも興奮が収まらないのでネタバレサイトを漁りまくってた記憶があります。笑
ミステリ小説の、あのドキドキわくわく感は、なにものにも代えがたいように思います。
今回は、前々から気になっていて買ってはいたものの、1年くらい積み本になっていたミステリー小説を手に取って、読んでみました。
読んだ本の話
今回手に取った本は、麻耶雄嵩さんの「隻眼の少女」でした。
隻眼の少女 麻耶雄嵩 文藝春秋
☞Amazonページ
https://www.amazon.co.jp/%E9%9A%BB%E7%9C%BC%E3%81%AE%E5%B0%91%E5%A5%B3-%E9%BA%BB%E8%80%B6-%E9%9B%84%E5%B5%A9/dp/416329600X/ref=tmm_hrd_swatch_0?_encoding=UTF8&qid=&sr=
感想としては、『ふつうに嫌な終わり方やー』でした。笑
ミステリー小説としてはもちろんレベルの高い物でした。
伏線のちりばめ方や事件のトリックなどを含め、内容はひじょうに面白かったです。
ただ、「結末」そのものが、私はなんかすごーく嫌でしたね。笑
うわぁ、って。笑
この本は、大学生の種田静馬と、隻眼 (片目) の探偵のみかげが、ある村で起こった連続殺人事件に挑む、というストーリーです。
その村は「スガル様」という神を祀る村で、「琴折家」と呼ばれる家系の母系の子孫が、代々スガルを継いでいます。
この一風変わった村で、「次期スガル」になるはずの娘たちが次々と殺されていきます。
静馬とみかげは、二人で協力しながらその謎を見事解決します。
しかし、その18年後、またしてもその村で殺人事件が起こります。
静馬たちはこの謎を解明することができるのか、、
ザっとしたあらすじは、こんな感じです。
ミステリー小説のだいご味である、『誰が犯人なのか、、』を考えるのが楽しい小説でした。
この小説は「宗教的な狂信」がキーワードになります。
村で奉られている「スガル様」はもちろんそうですが、探偵のみかげもそれは同じです。
というのも、みかげの母は有名な探偵であり、一部の人に「宗教じみた」人気をもっていました。
みかげは「立派であった母を継ぐ」という、いわゆる信仰心を強く持っている人物なのです。
みかげは、「スガルになることが生まれた時から決められていた娘たち」になにがしかのシンパシーを感じていたと思います。
それは、小説の結末に大きくかかわってくることになります。
そして、宗教的な熱情は、時には人の価値観をゆがめ、周囲の人間を巻き込んだトラブルを引き起こすきっかけにもなりえます。
本書では、その狂信のおそろしさと、「自分の人生の方向性に裁量権があること」に対する喜びが感じられる本だと思いました。
久しぶりのミステリー小説、面白かったです。
『全国読書マラソン・コメント大賞』への掲載予定文章(推敲中)
この小説では、ある宗教が信仰されている村が舞台となる。
その村では『スガル様』と呼ばれる人間が祀られ、神として崇められていた。
ある日、次期スガル様とされていた娘たちが次々に殺されるという連続殺人事件が発生した。
その謎に挑むは、隻眼の探偵、みかげ。
みかげは事件を解決することができるのか、、。
宗教は必ずしも人を幸せにするとは限らない。
なにかを強く信じることは、人を盲目にさせる。
行き過ぎた信仰は狂信にかわり、周囲の人間との軋轢を生むことになる。
それは何も、その村の人間だけに限らない。
大なり小なり、人はなんらかの価値観にすがり、生きていく。
すがらなければ、生きていけない人もいる。
かつて名をはせた天才探偵の母のすがたを追う、みかげもまたその1人だ。
自分の人生、自分のために生きれていますか?
『全国読書マラソン・コメント大賞』とは??
☞ 全国大学生活協同組合連合会 HP
https://www.univcoop.or.jp/news_2/news_detail_1477.html