続きの、3~5題目です。
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題目3「Evaluation of the effect of aroma oil as a bath salt on cognitive function」
バスソルトのようなアロマオイルが認知機能に及ぼす影響の評価
Minoru KOUZUKI, Satoshi KITAO, Takeshi KAJU and Katsuya URAKAMI
PSYCHOGERIATRICS 2019 , doi:10.1111/psyg.12481
目的:
非薬理学的療法として、バスソルトを用いたアロマテラピーが認知機能の改善に影響をもたらすか否かを検証すること。
方法:
アロマの種類として、ラベンダーとスイートオレンジの混合物の匂いを使用した。
(これらの匂いは、先行研究で認知機能への影響が指摘されている。)
0.1%・0.5%・1%の配合率のアロマオイルを準備し、24週間 (観察機関として前後に4週間)、入浴時にアロマオイルを使用してもらった。
被験者は、アルツハイマー型認知症患者10名、軽度認知障害MCI25名、計35名とした。
睡眠の質の評価には「Pittsburgh Sleep Quality Index (PSQI-J)」
認知機能の評価には「Touch Panel-type Dementia Assessment Scale (TDAS)」
などを用いた。
結果:
睡眠の質、および認知機能において、統計学的に有意な影響はみられなかった。
虎太郎所感:
お風呂のサイズが被験者ごとに異なっているため、臭気を吸引する割合にも違いが生じていたと考えられ、その影響が考えられる、と述べられています。
入浴時に認知機能へ介入ができることが示されれば、けっこうコスパの良い認知症予防活動になるのではと考えられます。ぜひ、効率的な入浴時のアロマオイルの使い方が開発されればな~と思います。
題目4「Reduction of active Fel d1 from cats using an antiFel d1 egg IgY antibody」
抗Fel d1 卵IgY を使用することによる、猫のFel d1の減少
Ebenezer Satyaraj PhD | Cari Gardner PhD | Ivan Filipi PhD | Kerry Cramer PhD | Scott Sherrill MS
Immunity, Inflammation and Disease. 2019;1–6.
目的:
猫のアレルゲンである『Fel d1』に対して、鳥類免疫グロブリン『IgY』が効果発現を示すかを検証すること。
方法:
106匹の短毛のイエネコを使用した。
実験では、2週間の観察の後、10週間ごとに『抗Fel d1 IgY』が含まれたフードを与えられた。
肩と脇をブラシすることでサンプル100㎎を採取し、サンプル内のFel d1の量をELISA法によって定量化した。
結果:
『Fel d1』の数値は、フードを食べることで減少することが確認された。
また、そもそもの数値が高い猫の個体群は、その減少率が顕著であった。
虎太郎所感:
飼い猫にフードを食べさせることで、飼い主の猫アレルギーの発現を抑えられる、という研究です。
この研究は、メディアでも結構話題にされていました。
猫側への介入で人側が効用を得る、というプロセスに嫌悪感を持つ人もいるようで、賛否両論があるようです。わたしはあまり嫌悪感を感じないのですが。
機会があれば、別記事で書こうと思います。
とても意義のある研究だと思います。
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