「飼い主と一緒の方が安心する!!」という猫ゴコロが研究で明らかに

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ツンデレな猫も、やはり人、特に「飼い主」がそばにいると安心するのかも知れません。

※原文直訳です (客観性高し)。文中の () 内は、わかりやすくなるように意訳した文です (主観性微増)。

(1) 文献情報

(2) 背景・目的

「飼い主との分離」「身体検査を行う場所」は、猫の「恐怖・不安・ストレス」に関わる行動に影響を及ぼすか、調査すること。
(動物病院で「飼い主がそばにいるか」「診療を行う場所はどこか」によって、猫の安心度は異なるか調査すること)

(3) 材料と方法

調査対象

21匹の健康な猫

調査計画・流れ

実験。非盲検であるが、ランダム化されている、前向き研究。
非盲検試験とは?
オープントライアルともいう。臨床試験(治験)を行う際に、被験者がどの治療群に割付けられたか、医師、被験者、スタッフにわかっている試験法。(日本薬学会)
前向き研究 prospective study
一定の期間を経て前向きにデータをとる縦断研究の一つです.疾患の起こる可能性がある要因にさらされるかどうかに注目して群分けし,研究を開始してから将来(数ヵ月後,数年後)にわたって追跡を続け,疾病などの発生状況を比較する研究方法です.ランダム化比較試験(RCT)やコホート研究などが代表的なものです.(日本理学療法士学会)
以下の3つの条件で比較。
条件①「飼い主がそばにいる条件 (ベースライン)
(多分、条件②③ごとに設定?)
条件②「”検査室で”飼い主がそばにいない条件
条件③「”実験室で”飼い主がそばにいる条件

着目点・評価項目 (エンドポイント)

プライマリーエンドポイントは、①「心拍数 (聴診で測る)」と②「FAS (Fear Anxiety Stress) Score (5つの行動項目を観察し、その頻度を数値化する)」。
※アブストラクトだけだと、どんな行動を見たのかわからなかった。。
エンドポイントとは?
治験(臨床試験)における治験薬の有効性や安全性をはかるための評価項目である。有効性があると客観的に判断できるか、また結果に普遍性が認められるかが重要となる。製薬・医薬業界の転職支援 Answers(アンサーズ)

(4) 結果

メインの結果 (一番知りたいとこ)

条件①のベースラインと比較して、条件②③での心拍数は高く180bpm以上だった (診察環境に移動するだけで心拍数が上がる)。
さらに、飼い主がそばにいる条件③に比べて、飼い主がそばにいない条件②で有意に心拍数が高く、30bpmほど違った (飼い主がそばにいると、心拍数の上がりは小さくなる)。

サブの結果 (メイン以外・メインとの関連性)

飼い主がそばにいない条件②では、条件①のベースラインと比べて、FASスコアが高かった (統計的にではなく、臨床的な評価結果)。
 

(5) 考察・結論

結果の直接的解釈

「飼い主と離れる」「身体検査を行う場所」が相まってストレスが増加し、バイタルサインの評価が不正確なものになるかも知れない。したがって、身体検査は見知らぬ犬猫などから離れて「飼い主がそばにいる」状況下で行うべきだ。
 

2. 文献に対する感想・内容の転用 (抽象化)

(1) 次の課題は?

飼い主じゃないと本当に効果はないのか?は気になるところ。
「看護師」「第三者」「家庭内の別の人間」など、飼い主ではない人間を配置する実験の結果を見ることで、「『飼い主』がそばにいることが重要」と言えそう。

(2) どんなことが言える?

個体差もありますが、猫は一見すると気まぐれで人のことなんか気にしてないように見えます。しかし、心拍数ではっきりと結果が出ています。やはり生理的な側面の評価をすることで「人と猫の関係性はあぶり出せる」のかなと思えてきます。

本文献は獣医療の領域であり、私の研究とは大きく異なります。が、研究の目的は親しいものと感じました。なので、この文献の結果には強く共感できます。
 
 

「猫が私たちのことをどう思っているのか」知りたくありませんか?

日本をはじめ、世界各国で「猫」は最も飼育されているペットとなりました。しかし、「猫と人との関係」における研究は未知な部分が多いのが現状です。

・猫と人が互いを「どのような存在」と認識しているか
・猫と人は互いに「どのような影響」を及ぼし合うのか
・猫と人は互いと「どのような関係」を築くべきなのか

上記の問いに対して、まだ結論は出せていません。

そしてその結論を出すには、皆さま飼い猫さん・飼い主さんのご協力が不可欠です。

 

 


研究内容を覗いて、協力を検討してみる (ΦωΦ)