犬や猫を子どもの頃から飼っている人は、彼らが情操教育に役立つ存在であったことを実感しているかもしれません。
ペットロスの経験、飼育管理の責任意識、それらがもたらす精神的成長は、何ごとにも変えがたいものです。
一方で、ペットの飼育はそのような健康効果だけではなく、「アレルギー性疾患のリスク」を下げるという効果もあることを知っていますか?
この記事では、「犬や猫を飼育することでアレルギー疾患に罹りづらくなる」ということを示したメタ分析研究を紹介します。
もくじ
■ 論文の内容
〇 序論
「犬や猫との触れ合いは、アレルギー性鼻炎や喘息にかかるリスクを下げるか」については、長年議論されてきました。
この研究の目的は、メタ分析をおこなって「ペットとアレルギー性鼻炎と喘息との関係性」を評価することです。
メタ解析たくさんの学術論文をかき集めて、それらの結果を『総合的に』評価していく研究手法です。多くの研究の結果を参照にするため、信頼性が高く質の高い研究手法といわれています。
〇 結果
2019年以前の「症例対照研究」「コホート研究」を対象に文献調査を行った。
34の「コホート研究」を解析した結果「猫や犬との触れ合い」は「喘息」「アレルギー性鼻炎」の発症リスクを下げていることが分かった。
一方で、13の「症例対照研究」を対象に解析をした結果では「喘息」の発症との関係性は見られなかった。
「症例対照研究」:過去にさかのぼって調査する「コホート研究」:未来へ追跡調査するという違いがあるそうです。参考文献👇
〇 結論
ペットの飼育は、「喘息」や「アレルギー性鼻炎」の発症を抑える可能性があることが示された。
〇 文献情報
■感想と転用
全文がみれないので、かなり大雑把な紹介になってしまいました。
ペットとアレルギーは、本当に多く議論されています。
ただ、メタ分析は初めてみました。一番信憑性のある結論かもしれませんね。
また、リスク比 (未来方向性) ではペットの効果アリと出たけど、オッズ比 (過去方向性) だと出てないようでした。
この違いは、なぜなんですかね、、。ここら辺が肝な感じしますが、ちょっと読めなくて残念、、。
〇 ペットってスゲェ
私は鼻炎持ちで、子どもの頃から鼻水ずるずる垂れ流すような人です。
部活動などの際は呼吸しづらい時もあり、かなり辛い思いをしたこともありました。
私は大学生になってから家庭で猫を飼い始めたので、この記事を読んで「子ども頃からペット飼ってたら〜〜」と思いました。
それにしても「ペットとアレルギー疾患」の関係性を研究している報告が50近くもあることにビックリしました。
すごい数ですね。
〇 賛否のある結果が生じる理由は、、?
当然ですが、ペットの飼育のみがアレルギー疾患の発現を全てコントロールしているわけではありません。
両親から授かった遺伝的な素因、生活環境等の環境的な素因、それらが混ざり合って疾患が生じます。
この研究分野が、強い証拠を提示するのが難しい理由がよく分かります。
いかがだったでしょうか。
なかなか結論を下すのが難しい研究領域ですね。
ただ、この論文では、ペットを飼うことはアレルギー性疾患にポジティブな影響をもたらすことが示されました。
お子さんがいるご家庭の方は、(できれば保健所から) ペットを引き取ってみてはいかがでしょうか。